No.042コーヒー豆

コーヒー豆

漂うように生きた先に辿り着いたライフワーク。それがコーヒー。

袋町にあるから、BAG TOWN COFFEE

広島本通商店街の中ほど、BEAMS前のT字を袋町方面に曲った1つ目の角を右に折れた先に、ひっそりとそのコーヒー屋さんは佇んでいます。筆字調がかわいい“BAG TOWN COFFEE”の看板を目印にガラス張りのお店へ足を踏み入れれば、その瞬間にコーヒーの幸せな薫りに包まれます。
コーヒー豆の販売とコーヒーのテイクアウトを行っている店内には、キャニスターに入った新鮮なコーヒー豆や、麻袋に入ったままの生豆たちが所狭しと並べられています。
そして何よりも目を惹くのは、お店の入り口に置かれている銀色の、大きな焙煎機。長身で優しいオーラを放つBAG TOWN COFFE店主、山本篤司さんの相棒です。

毎日がハラハラだった

「コーヒー屋を“うっかり” 始めちゃったんですよ。」と笑う山本さんは開業当初、まさか自分がコーヒーの世界にここまで没頭するは思ってもいなかったそうです。18年間のサラリーマン生活と5年間の自営業を経て、2015年にコーヒーの世界に足を踏み入れた山本さん。「もともとコーヒーは好きでしたけど、コーヒーマニアと呼べるほどのものではありませんでしたよ。」と話す山本さんは、それから猛勉強を重ねたと言います。お店の肝とも言える焙煎機も、買い足しを繰り返して今のものに辿り着いたのだとか。
焙煎機も小さいものしかなく、焙煎量も少しずつだったという開店当初。お客さんにコーヒー豆を選んでもらい、焙煎している間にお客さんといろいろな会話を楽しむ。そんな緩やかな日々から始まったBAG TOWN COFFEE。最初のうちはハラハラだったけれど、今ではすっかりコーヒーにハマってしまったと話す山本さんにコーヒーの魅力を聞きました。

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美味しいコーヒーは嫌な味と裏腹

「それぞれの豆があって、それぞれのフレーバーがある。仕入れる豆で味が変わるのはもちろん、焙煎の仕方でも全く違う印象になるのが面白い。」と、山本さん話します。でもそれ以上に面白いのは、「コーヒーの美味しいさは嫌な味と裏腹」だというところ。コーヒーはもともと豆だから、アクも雑味もあるのが当たり前。だからこそ、その「嫌な味」を減らしていくことが、山本さんの考える美味しいコーヒーへの道なのだとか。そしてその答えは「仕入れ」と「焙煎」にあると言います。「いいもの(豆)をダメにしてしまうのはとても簡単です。だからこそ、コーヒーは奥が深い。僕は、美味しいコーヒーを作ることへの挑戦を未だに続けています。」

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いつでも「今日の1番」を

軽やか生きてコーヒーに流れ着いたというその印象とは裏腹に、山本さんの眼差しには美味しいコーヒーを探求する深みが宿ります。そんな山本さんが推す逸品は『コーヒー』。特定の銘柄ではなく「うちのコーヒーをお勧めしたいです。」と言います。仕入れた豆や焙煎によって味が変わるコーヒーであるからこそ、銘柄も煎り具合(浅煎りから深煎りまで)も特定せず、「今日の一番」を常にお店に置いておく。そんな山本さんの意気込みです。
大きな焙煎機で生豆の焙煎に打ち込む山本さんは、そのとても小さな窓から炎を見つめ、豆を見つめ、豆の種類や温度や時間などのデータを漏らさず記録していました。お店に並ぶコーヒー豆はすべて、こうして生まれています。
取材の最後に夢を尋ねると、「ポルシェが欲しい。小さい頃からの夢です。なぜかフェラーリじゃなくて、ポルシェ。」と笑った山本さん。けれどそのあとで、「でも、コーヒーはずっと続けていきたいですよ。」と、少し恥ずかしそうに付け足しました。

写真・取材・文 MiNORU OBARA

店舗情報

  • 店名

    Bag Town Coffee

  • 住所

    〒730-0036 広島県広島市中区袋町2-1柳田ビル

  • 連絡先

    082-246-0660

  • 営業時間・
    定休日

    【営業時間】11:00~19:00
    【定休日】無休

  • Instagram

    https://www.instagram.com/bagtowncoffee/

写真:コーヒー豆

コーヒー豆

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