No.050Letter
植物からの手紙に込められた豊かなお家時間
花の美しさを伝える伝道師の気持ちで
原田美貴さんが広島一の歓楽街・流川に6坪の花屋『SHAMROCK』をオープンしたのは今から約14年前のこと。その後、国泰寺の庭付き一戸建てへの移転を経て、3年前に現在の土橋にある倉庫を改装した空間へと移りました。美しい色気を感じる花や、ピリリとスパイスの効いた花、クセのある植物をバランスよく配した原田さんのアレンジは、SHAMROCKの個性とも言える唯一無二のセンス。「花のアレンジに性格的なものもでるんでしょうね」と原田さんは笑います。一見クールな印象だけど、ゆっくりと穏やかな口調で話す原田さんの纏う空気感は、やわらかな色合いの花束にも赤茶色の花を添えて締めるSHAMROCKらしいアレンジにどこか似ています。「花が100%綺麗だから、自分が手を入れることでそれがマイナスにならなければいいなと、それは意識しています。植物の花粉を虫や鳥や風が飛ばして植物が広がっていくでしょ？ 自分もそんな花の伝道師の1人じゃないかなって思うんです」。
花の生き方を見てネガティブな感情から抜け出せた
「たまたま花屋のバイト募集を見つけて。色遊びができて楽しそうだな〜って、最初はそんなノリだったんですよ」。軽いきっかけで足を踏み入れた花の世界に、あっという間にどっぷりとハマっていった原田さん。「花をよく観察していくうちに、花びらやおしべとめしべの配列、形や香りにゾクゾクしたんです。なぜこの葉はこんな形をしているんだろうかと理由を考えていたら、この植物がその場所で生きていくための形だと気付いて。カッコよく見せるためではなく、ただ生きることだけを考えてそう進化したわけなんですよね。生命力に心が震えました」。現在のバイタリティー溢れる原田さんからは想像もできないけれど、若い頃はどこか冷めていて、所詮自分なんて…と思うことが多かったと言います。「人と比べてネガティブな気持ちになっていた自分が、そんな花の生き方に救われて。ただ生きるということを続けていけばいい。目の前の仕事をコツコツとやっていけばいいんじゃないかって。そう思えて気持ちが楽になったんです。そこからはもう、花に対してただただリスペクトの気持ちしかありません」。
花を触っていて疲れる理由がわからない
郊外でのウェディングの装花やウィンドウディスプレイ、ワークショップの講師など原田さんの活動は幅広く、いつ休息をとっているのか心配になるほど。「東京の花屋で修行していた時、当時の社長に“花を触っていて疲れる理由がわからない”って言われたんです。かっこいいでしょ（笑）？ その時は、いやいや休ませてくださいって思いましたけどね。でも今は、社長と似たようなことになってます」、そう笑顔を見せます。「花に触れて癒されたり、新しい花に出会って高揚したり。思いきり好きなことを仕事にできているというのもあるけど、やっぱり花に元気をもらってる気はしますね」。さらに、「花屋」の枠を超えて、音楽イベントやアートの展示など、空間の使い方も多種多様。「自分1人で作る空間はイメージ通りのものだけど、それとは全く違う空間が生まれることが新鮮で面白くて。音楽もアートも花も生活必需品ではないけど、無駄に思えるものにこそ豊かさがあると私は思っています」。
ステイホーム期間を楽しんでもらえるアイテムを
いつもフットワークが軽く、柔軟な発想で日々を楽しむ原田さんが選んでくれた大切な人に贈りたい逸品は、季節の生花が詰められたスワッグのキット。コロナ渦のステイホーム期間をお家でも楽しんでもらえるようにとジャムクリエイターのユーイチさんとのコラボで生まれたアイテムなのだとか。「Letterという名前は、こんなの作レター！ の、Letter（笑）。スタッフには苦笑されましたけどね！」。まさかのお茶目な発想。「もちろん、植物からみんなへの手紙というのがメインの意味ですけどね（笑）。箱詰めされた切り花をお家でばさっと並べると、それだけで本当に可愛いんです。ドライになった時に、より面白くなる花をセットにしているので、その変化も楽しんでもらえますよ」。同じ花材でも作り手によって個性が出るスワッグ作り。なかなか会えない友人にはもちろん、自分への贈り物にも。箱を開けた瞬間に包まれる気持ちのいい緑と花の香り。スワッグを作る時間も含めてスペシャルなギフトです。
写真・取材・文 柚木藍子
店舗情報
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店名
SHAMROCK（シャムロック）
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住所
〒730-0854 広島市中区土橋町6-29
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連絡先
082-554-4477
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営業時間・
定休日【営業時間】10:00〜19:00
【定休日】不定休 -
HP
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【ご利用条件】おすすめの逸品『Letter』をご購入の際にご利用いただけます。
【『Letter』販売価格】 5,500円（税込）
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