No.066あいがけカレー

あいがけカレー

元気な明日のカラダを作る南インドカレー

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今日食べた物で明日の体ができている

旅するカレー屋“ぱんちょり”の宮本和輝さん。髭がトレードマークでワイルドな雰囲気の方ですが、生き方自体もワイルドだなあと私は思います。宮本さんは元々料理の道を目指していたわけではなく、競艇選手になるのが夢だったそうです。競艇選手の養成学校に入るには合格率3%の試験に合格しなければならず、学力試験の他に体力試験も必要です。宮本さんは会社員として生計を立てながら、日々アスリートの体作りに励んでいました。その時実感したのは、食べるものを変えると体が変わるということ。30歳を迎え、競艇選手養成学校の応募基準を越えてしまったため夢を断念し、会社も辞めるのですが、「今日食べたもので明日の体ができている」という気づきが宮本さんのその後の展開を作ります。31歳で好きなことをやろうと考えたとき、自分がよく作っているカレーで食の大切さを伝えることを思いつきました。

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添加物を使わない、体に優しいスパイスカレー

元々料理が好きだった宮本さん。食べた物が体になるのだから、添加物は極力使いたくない。だから数年前から市販のルーを使わず、スパイスからカレーを自作していました。「どうせなら好きなことをやろう。カレー屋になって食の大切さを伝えてみよう。」そう決めた宮本さんは、そのバイタリティでインドとスリランカに渡ります。「スシ屋になりたいって言っている外国人が、日本に一度も来たことなかったら残念じゃないですか。だからカレーを作るならインドに行って学ばないとって思ったんです。」とはいえ、それまで海外に行った経験があまりなかった宮本さん。慣れない食べ物とインドの水が合わなくて、何度もお腹を壊しました。食あたりで寝込み、油で内臓をやられ寝込み、と繰り返しながらも、カレーを食べ続けます。現地で美味しいカレー屋があれば足繁く通い、カタコトの英語で「どうやって作るの?」とコックに聞くなど、文字通り体当たりでカレー作りを学びました。

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ぱんちょり、の語源は…

インドでは日本人が営むゲストハウスに滞在していましたが、そのゲストハウスの近くに診療所を構えていたのが医者のパンチョリさん。お腹を壊すなど体調を崩した日本人ゲストをケアしてくれ、治療費もほとんど取りませんでした。このパンチョリさんの名前をいただき、宮本さんはカレー屋の活動名を「ぱんちょり」にしました。帰国後すぐに活動し現在3年目。セッションズを始め、様々なイベントや施設でカレーを提供しています。インドとスリランカの修行は大変でしたが、毎日カレーを食べる中で“美味しいカレーの基準”ができたそう。完全にインドの味を再現することはできないけど、自分の舌が確かに経験した味が、ぱんちょりカレーの基準になっています。道なきところに道を作るような生き方の宮本さん。今後の活躍がますます楽しみです。

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カレーとスパイス料理の魅力がぎゅっとつまった一皿

逸品に選んでもらったのは、あいがけプレートです。半分はチキンカレーで、もう半分はマスタードカレー。魚介系の具にも合うそうです。カレーと副菜、パクチーのグリーンの彩が見た目にも美しい逸品。ココナッツファインとヨーグルトであえる副菜のアビエル、トマトのチャトニ、菜っ葉炒めなど本格的なインドの副菜もちょっとずつ添えられ、凝った一皿です。カレーのお味は…ココナッツミルクの甘味があり、マイルドで美味しい! 思ったより辛くはなく食べやすいですよ。ごはんと合わせても美味しく食べられるしっかりとした味付けですが、油っこくなくさっぱりとしています。胃にも優しいのが南インドカレーの特徴なのだそう。最後は混ぜご飯のようにカレーも副菜も混ぜて食べるのがおススメだそうです。確かに、全ての食材とスパイスが口の中で調和し至福でした。美味しく元気チャージできるカレー、試してみてはいかがでしょうか?

写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子

店舗情報

写真:あいがけカレー

あいがけカレー

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