No.074麻婆豆腐

麻婆豆腐

立ち飲み屋で食べられる麻婆豆腐

写真

ディープな横川エリアの中でも珍しい中華の立ち飲み屋

ユニークな飲食店が多い人気の横川エリア。JR横川駅から徒歩6分、商店街を南に抜けたところに立ち飲み屋“ちゅうかなやま”があります。POPカルチャー系のアートが描かれたおしゃれな外観。広島では珍しい、中華が食べられる立ち飲み屋です。店内の壁に描かれたキッチュな中華のイラストは、アーティストさんが描かれたもの。その中に常連さんなどの落書きも混じっていて、お客さんから愛されているお店なのが伝わってきます。
店主の金山誠治さんは眼鏡がトレードマークの好青年です。ご両親が共働きで、料理の手伝いをよくする子だったそうですが、初めから食の道を志していたわけではありません。大学を卒業し、何か夢中になれるものを探して洋服屋やカフェで働いていましたが、ある飲み屋さんとの出会いで金山さんの人生が大きく変わります。

写真

好きが高じて お客さんから従業員になった立ち飲み屋

金山さんは20代の頃、ある立ち飲み屋さんに出会います。当時はちょっと人見知りする性格の金山さんでしたが、お店には同じように1人で来るお客さんが多く、通うたびに自然と知り合いが増えていきます。「店で知り合ったお客さん同士が付き合ったり、意気投合したメンバーで遊びに行ったり…人との繋がりが生まれる素敵なお店でした。」お店のファンになった金山さんは、思い切ってその立ち飲み屋さんで働かせてもらうことにしたのです。
そして、その立ち飲み屋で“ある人”との出会いがありました。金山さんの独立を早くから応援してくれていたのは、そのお店のオーナーでした。年も近いオーナーは、金山さんに“早く店を出しなよ”とプッシュしてくれ、定休日にはお店まで貸し、金山さんが毎週1日店長としてチャレンジできる場所を提供してくれました。「店で知り合った人達が開業の時助けてくれました。その人達がいなければ今のこのお店はありません。」金山さんは感慨深そうに過去を回想します。

写真

1人で気軽に中華を楽しめる立ち飲み屋を

中華料理って大人数のグループで食べに行くイメージがありませんか? だから金山さんは、1人でも気軽に食べられる中華があったらいいなと考えたそうです。中華の立ち飲み屋なんて広島にはないからやってみよう! 金山さんはオープンに向け準備を始めます。開業資金もあまりなく、店内のグレーの壁は何日も掛けて自分で塗りました。昼間働いてお金を作って店の設備を増やす…そんな風に懸命に走りながらお店を完成させます。
開店から現在4年目。アットホームな雰囲気で、いろんな人が1人でやってきては、役職関係なくわいわい飲める店として人気を博しています。人が集まり縁を紡ぎ、お客さん同士がこの店で出会い結婚したこともあります。「立ち飲み屋は仕事。でも楽しんでやっているという意味では仕事と思っていないです。料理屋って、お代をいただくのに『ありがとう』って言ってもらえる素晴らしい仕事ですよ。」金山さんは微笑みながらそうおっしゃいます。

写真

創業時からメニューにある、ちゅうかなやまの麻婆豆腐

逸品に選んでいただいたのは麻婆豆腐。こちらは開業前、前職で一日店長をされていたときから作っていたもの。ちゅうかなやまを代表する一皿です。基本的にお酒を楽しむためのお店なので、味付けもお酒に合うように作られています。ピリ辛の麻婆豆腐は、生姜と山椒の風味がしっかりしていて、お酒もすすみそう。「中華屋さんにはビールか紹興酒しかないイメージですけど、しっかりとした味の日本酒にも合うんですよ。」ご自身もお酒が好きな金山さんに聞けば、おすすめの日本酒を勧めてくれます。
中華料理だけにこだわらず、発酵食品を使った料理やルーロー飯なども出しています。趣味と実益を兼ねていろんな店に行ったり、情報を集めては料理のイメージを膨らませている金山さん。これからも自由な発想でメニューが広がっていきそうです。横川でちょっと1人で飲みたい、そんな時はお店を気軽に覗いてみてはいかがでしょうか。

写真 MiNORU OBARA / 取材・文 日高愛子

店舗情報

  • 店名

    ちゅうかなやま

  • 住所

    〒733-0011 広島市西区横川2-14-11

  • 連絡先

    080-3873-2227

  • 営業時間・
    定休日

    【営業時間】月水木 14時〜22時、金土 14時〜23時、日  12時〜20時
    【定休日】不定休

  • Instagram

    https://www.instagram.com/seijikanayama/

写真:麻婆豆腐

麻婆豆腐

チケットで広島のお店を応援!電子チケットを購入するチケットで広島のお店を応援!電子チケットを購入する 電子チケットについて 一覧へ戻る