No.077イッチン技法の器
「控えめでも存在感のある」イッチン技法そのままの陶芸家に
白い器にイッチンで個性を演出
「一目見て、私の作品だと分かるものを作る」これは陶芸作家として生きることを選んだ佐々木さんにとって、大きな課題でした。「器として華やかであるよりも、料理を引き立てる器であることが大切ではないか」そんな思いから選んだ「白い器」に、個性を出すためにイッチン技法に目をつけました。「イッチンは伝統的な技法。自分なりに洋風にアレンジしたことが認められたと思いました」と賞を取ったことは、自分の方向性に間違いはないという自信を佐々木さんにもたらしました。
2016年には「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT2016」に選ばれ、一躍注目を浴びることに。このプロジェクトは47都道府県から選出された52名が、伝統技術に自由な発想を掛け合わせ、前例のないモノづくりに挑むというもの。広島県を代表して佐々木さんが選ばれ、イッチン技術を用いたランプシェードを制作しました。電球が内側に入り込むデザインで、点けると「イッチン文様」が浮き上がる幻想的な作品です。「いつも一人で制作しますが、アドバイザーと相談しながらの物づくりは新鮮な経験でした」佐々木さんはこれをきっかけに、クリエイターとコラボした作品も作るようにもなり、作家としての世界を広げています。
2016年には「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT2016」に選ばれ、一躍注目を浴びることに。このプロジェクトは47都道府県から選出された52名が、伝統技術に自由な発想を掛け合わせ、前例のないモノづくりに挑むというもの。広島県を代表して佐々木さんが選ばれ、イッチン技術を用いたランプシェードを制作しました。電球が内側に入り込むデザインで、点けると「イッチン文様」が浮き上がる幻想的な作品です。「いつも一人で制作しますが、アドバイザーと相談しながらの物づくりは新鮮な経験でした」佐々木さんはこれをきっかけに、クリエイターとコラボした作品も作るようにもなり、作家としての世界を広げています。
佐々木さんおすすめの逸品/イッチン技法の器
佐々木さんの作品は、陶芸を学んだ土地である瀬戸の土を使い制作されています。イッチン技法は、泥漿(粘土を水で溶いたもの)をスポイド型の専用器具にいれ、模様を描きますが、佐々木さんは泥漿にも瀬戸の土を使っているそう。キメが細かい瀬戸の土だからこそ、繊細で細かな模様が生み出されています。「大雑把な性格なので、キッチリとした物づくりは苦手。型を使う陶芸に比べ「ろくろ」はアバウトで感覚的だし、イッチンで模様を描くときもフリーハンドなので、性に合っています」と笑いながらも「土は本来柔らかいもの。その柔かさを表現したい」と作家としての強い思いも語ってくれました。シンプルな器に浮き上がるような文様は、決して派手ではないけれど存在感のあるもの。陶芸家・佐々木しず、そのものの作品に出合いに音戸を訪れてみませんか。
写真 田頭義憲 / 取材・文 山名恭代
店舗情報
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店名
アトリエ壱
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住所
〒737-1204 広島県呉市音戸町北隠渡1-7-35
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連絡先
080-1558-4340
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営業時間・
定休日【営業時間】なし
【定休日】なし
※アトリエにご来店の際は、事前に連絡のうえお越しください。 -
HP
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イッチン技法の器