No.096マイクログリーン・エディブルフラワー

マイクログリーン・エディブルフラワー

大地の力を蓄えた若芽のパワーで贅沢な毎日を

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安芸高田で育てる栄養豊富なマイクログリーン

その栄養価の高さから注目を集めるマイクログリーン。発芽して1~3週間くらいの若芽野菜の総称で、5㎝にも満たない小さな野菜たちです。スプラウト、ベビーリーフなどと混同されがちですが、その違いは栽培方法や収穫時期で呼び名は分類されるのだとか。水耕栽培ではなく、土または培土で栽培される土壌栽培であること、スプラウトより長く栽培し、ベビーリーフよりは早く収穫されるのがマイクログリーンの特徴です。そんなマイクログリーンを安芸高田市で育てているのが、「あちゅらむ農園」の栗栖伸明さん。広島市内からの移住者のひとりです。栗栖さん一家が移り住んだのは2018年のこと。大らかな子育て環境を求めて移住する土地を探していたところ、自然豊かな安芸高田にある築100年の家を紹介されました。

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カナダで出会った老夫婦の暮らしに憧れて

「安芸高田は、ちょうどいい田舎で住みやすい」と栗栖さん。広島市内からも車で1時間とちょっと。自然が豊かな土地でありながら生活に困ることもないと話します。栗栖さんが生まれ育ったのは庄原で、実家は農業を営んでいましたが、農業に興味を持つこともなく、20代半ばまではスノーボード中心の生活をしていました。そんな暮らしに転機が訪れたのは、カナダでファームステイをしたことでした。後に奥様になるマリコさんがワーキングホリデーを利用してカナダへ行ったのを機に、栗栖さんもカナダを訪問。2人で訪れたステイ先は、年配のご夫婦が自給自足の暮らしをしているところでした。
その暮らしの豊かさに心惹かれ、「田舎で農業をやりたい」と考えるようになったそう。広島に戻り実家の畑を借りて、少量多品種の自然農を始め、育てた野菜を食べてもらう場所として、広島市中心部で野菜を中心にしたメニューを出す飲食店を始めました。

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自分たちらしい暮らしを求めて、安芸高田へ

子育てをきっかけに、自分たちの生活も見直すようになったと話す栗栖さん。都会で飲食店をしながらの子育て環境は、子どもたちにとっても望ましいものではありませんでした。「元気な子どもたちを、もっと伸び伸びと育てたい」と自然豊かな場所での暮らしを考えるように。郊外の土地を探すようになりました。
栗栖さんのように広島市内から移住者が多い安芸高田市。先に移住していたカフェ「iegoto」のオーナーから、築100年の古民家を紹介してもらうことに。「同世代の移住者も多く暮らしやすそう」とこの地に移り住むことを決めました。約2年の歳月をかけ古民家を自らリフォームし、和と洋が程よく調和した空間に仕上げました。一家の住まいであると同時に、古民家貸切「農家の宿 cherieの畑」としてオープンし、宿の運営はマリコさんが主に、栗栖さんは近くの休耕田を借りて農業を再開しました。以前のような少量多品種を育てるのではなく、マイクログリーンを選んだのは、収益性が見込める新しい作物に興味があったこと、飲食店の経験から求められている品であったこと、「なにより生野菜が大好きなので、1年中たくさん食べられるとうれしいから」と栗栖さん。無農薬、無化学肥料の土壌で栽培するマイクログリーンは、まだまだ試行錯誤を繰り返してばかりと栗栖さんは語ります。「自然と向き合う暮らしが、自分には一番」と満たされた笑顔を見せてくれました。

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栗栖さんおすすめの逸品/マイクログリーン・エディブルフラワー

「土で栽培すると、力強い味がする」と栗栖さん。育てる野菜は水菜、ニンジン葉、レタス、春菊、ラディッシュ、ヒマワリ、アマランサスなど種類も豊か。マイクログリーンはビタミンが豊富で、成熟した野菜よりもフィトケミカルが40倍も含まれているそう。免疫力強化やアンチエイジングなど、美容と健康に役立つといわれています。それぞれの野菜の味も濃く香りが高いので、普段食べているサラダに混ぜても、肉や魚料理に乗せて食べるのもオススメ。農園ではエディブルフラワーも栽培しており、サラダに添えるだけで華やかな一皿に。オリーブオイルに塩などシンプルに食べるのもいいですが、栗栖さんの一押しは鍋の薬味にすることなのだそう。ピリッとする苦みや香りが食欲をそそります。小さな野菜たちのパワーを、いつもの食卓に加えてみませんか?

写真 的野翔太 / 取材・文 山名恭代

店舗情報

写真:マイクログリーン・エディブルフラワー

マイクログリーン・エディブルフラワー

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