No.088サイドレースシューズ

サイドレースシューズ

店主のこだわりが詰まったオリジナルシューズ

エキニシにある小さな靴屋さん

広島駅からすぐ、エキニシの一角にある「西野靴店(にしのくつみせ)」は、オーダーメイドの靴やリペアを中心におこなっている靴や革小物の修理店。モノづくり=靴の構造が好きと話す、店主の西野裕二さん。「靴の工程は150ほどある工程を、ミスしないようにする技術が必要なんですよ」と話す西野さんの靴作りのスピードは速く、迷いがなく、まさに職人技。西野さんが履いている靴や奥様が履いている靴もオリジナルのシューズで長く履き続けることで経年変化も楽しめる逸品。オリジナルのシューズ、リペアのシューズ、どの靴も西野さんの細やかな手仕事がつまっています。時間の経過を楽しめるアンティークが大好きな西野さんは西野靴店の作業場だけに留まらず、作業場から徒歩30秒の場所にある靴のお弟子さんが開いたBAR「N3(エヌスリー)」に西野さんの私物のアンティークがたくさんディスプレイされており、世界中から集めてきたアンティークが楽しめるノスタルジックな空間になっているので、ゆっくりお酒を飲むのにおすすめスポットだといいます。

モノづくりをしたい

20代は鉄工所や工場など、様々な製造業の仕事をしていた西野さん。車関係の会社に入社したきっかけで名古屋に行くことになり、そこでモノづくりに強いこだわりを持った工場長と出会い、大きな工場の立ち上げを経験したことから、「自分でモノづくりをしたい。」と思い立ちました。たくさんあるモノづくりの中から当時広島で靴を作っている人は少ないのではないかと、靴作りに興味を持ち、働きながら靴教室に通い、出始めたばかりのYouTubeを見て手順などを覚えたり、ほぼ独学で靴作りを始めました。転職後も、昼間働いて、帰宅後も靴作りに熱中し、お給料の大半を靴作りに必要な工具や材料費につぎ込んでいたと話す西野さん。仕事中も靴作りに必要な工具をポケットに忍ばせて、時間があるときには工具を触っていたり、靴作りのスキルをもっと上げたい思いが強くあったといいます。

自分の工房を持ちたい

会社員時代に、靴作りに必要な高額な機械を購入した事から、自分の工房が欲しいと、現在の工房をスタートしました。お店を持ちたいというより、工房を持ちたいとの思いが先にあったという西野さん。その後、「そんなに好きなら靴屋さんをやったらいい。」とのアドバイスもあり、工房をお店としてオープンすることにしました。「20代はとにかくよく働いた。30代はお店をオープンしたし、よく遊んだ。38歳の現在は好きな事をやっているだけ。」と笑う店主。現在もオーダーメイドの靴作りや革の靴だけでなく、スニーカーのリペアなど、他ではなかなかやっていない個性を生かした修理なども行っています。さらなる技術の向上のため探求心を持ちつづける西野さん。今後は新しいオーダーメイドの靴のデザインなどしながら、靴のブランドとしてもやっていきたい夢もあるとか。2018年に結婚した奥様は、ハーレーのカスタムペインターを長くしていた事もあり、現在はお店のロゴやデザインなどを担当しています。2人のタッグによりさらなる進化をしていく「西野靴店」の今後の展開にも目が離せません。

オリジナルのシューズをオーダーする

履き心地の良いヨーロッパの革を使用した、手縫いのオリジナルシューズ「サイドレースシューズ」。西野さんが旅先の鹿児島のヴィンテージショップで見つけたヨーロッパのチロリアンシューズに一目ぼれして購入したものをベースに、スーツでもカジュアルにも使えて、壊れにくく、改良を加えながら作ったという、オリジナルの逸品。ドイツから輸入しているパーツもアクセントとなり、オープン2年目に作ったオリジナルのシューズが、7年目を迎えた今でもSNSの口コミでコンスタンスに注文が入るのだとか。靴の事なら、西野さんに相談すればなんとかなるだろうなという信頼感からか、次から次へと新しい靴のカスタマイズの依頼も入っているといいます。職人技を感じるオリジナルシューズをオーダーしてみてはいかがでしょうか。

写真 山本興 / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

写真:サイドレースシューズ

サイドレースシューズ

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