No.122オリジナルアクセサリー

オリジナルアクセサリー

日本を愛するフランス人クリエイターの作るアクセサリー

国際平和都市で活躍する気鋭のアーティスト

広島の中心地、平和公園から徒歩1分の場所にある煉瓦色のビルの3階に、洗練されたスタイリッシュなアートギャラリーがあります。繊細なロゴが描かれた白い扉を開けると、12畳ほどのスペースが広がっています。ルメテ・アデリンさんはこちらの「L−GALLERY」を運営しながらファッションブランド「アデリン・ルメテ」も立ち上げています。日本に来て8年目のフランス出身アーティストです。アデリンさんは広島市立大学芸術学部の博士後期課程を修を設立しました。現在アートギャラリーとファッションブランドの運営で精一杯、将来にアーティストとして活動を行いたいために頑張っています。
小さなころから絵を描くのがとても得意で、“自分は将来画家になるのだろうという予感があった”という彼女。母国フランスでは日本のアニメ・漫画は大人気なので、若い時から日本を身近に感じていたそうです。「日本の文化が好きで、展覧会中は着物を着て受付をすることもあります。着付けは自分でしますよ。」と流暢な日本語で話してくれました。

日本のアートに共感し 日本に住みたいと思った

初めて日本に訪れたのは18歳、美大生の時です。日本好きの友達と一緒に東京を旅した2週間は、夢のように楽しい時間でした。フランスの山深い町から来たアデリンさんの目には、新宿の高層ビル、渋谷の人ごみ、秋葉原のオタクカルチャーなど全てが刺激的に映りました。
そして数々の美術館やギャラリーを廻って日本の現代アート作品に触れます。「日本の明るくて繊細な作品にぐっと心が奪われました。自分が目指している表現にとても近いと共感したので、日本に住んで美術の技術を向上したいと思ったんです。」
大学の交換留学先リストに日本の大学がいくつか載っていましたが、芸術学部があるのは広島市立大だけでした。世界的にも有名な広島に興味が湧いたのと、有名な画家の教授もいたので同大を留学先に選び、再来日。その後大学院に進み、修了後に広島で会社を興します。8年間住んで第二の故郷のように感じている広島。この街で働きながら暮らすのは自然なことでした。

ブランドを立ち上げコレクションを展開中

「就職も考えましたが、私は自分でビジネスを作りたいという気持ちが強く、周りからも応援があったので起業しました。アーティスト活動もしながら半年間かけこの場所を改装し、2020年11月にはギャラリーをオープンさせました。」国内外からアーティストを呼び、世界と広島を繋げる機会になればとアデリンさんは言います。
画家としても若手作家の登竜門、シェル美術賞に入選する実力を持つ彼女。現在はファッションブランドを立ち上げ、新作ジュエリーによるコレクション発表に力を入れています。彫金に出会って4年、比喩や哲学を表現するという意味では絵画の表現に近い所もあるようです。「単に美しいというだけではなく、モチーフの背景にある“意味づけ”を大切にしています。私自身、一人で深く考えたり、イマジネーションを広げる時間が大好きなんですよ。」と無邪気に笑うアデリンさん。
今後更にブランドの認知が上がり、世界と広島を股にかけながら大活躍されていくことでしょう。

小説の世界観を表現した新コレクション

こちらは発表したばかりのコレクションのピアス。タイトルは“La sauvagerie des Fleurs(花の残酷さ)”。これは小説家である妹さんが書いた短編集をモチーフにしています。主人公の女の子の部屋の中にやって来た青い花が、だんだんと巨大になり部屋を侵食していくという、ちょっと狂気に満ちたストーリー。
「花が巨大に成長していく様は時間の経過を表しています。自分を振り返ってみて、何も成長もしてないんじゃないかと焦ったり、落ち込んだりする時は誰にでもある。でも気づかないだけで誰しも少しずつ成長しているはず。“時の経過”という意味を花のモチーフに込めています。」と解説してくれました。身につけるとお守りのように毎日を応援してくれそうなコレクションですね。
箱や手提げバッグのセンス溢れるイラストもアデリンさんによるもの。どこか、空想的な非日常を感じさせる彼女の視点を感じさせます。webサイトやギャラリーで、彼女の素敵な世界に触れてみてください。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子

店舗情報

写真:オリジナルアクセサリー

オリジナルアクセサリー

チケットで広島のお店を応援!電子チケットを購入するチケットで広島のお店を応援!電子チケットを購入する 電子チケットについて 一覧へ戻る