「渋くてかっこいい」と心魅かれ、陶芸の世界へ
鮮やかな色彩と愛らしいフォルム、一目で彼女の作品だとわかる。個性的な世界観を持つ「やきもの」を作るのは、広島を拠点に活躍する陶芸家の正守千絵さん。日本橋三越本店をはじめ全国各地で個展を開催し、多くの人に愛されている作家のひとりです。
幼いころから物作りに興味があったという正守さん。学生時代も美術が得意で、絵を描いたり、自分で洋服を作ったりしていたそう。高校卒業後は、兵庫の服飾関係の学校に進学。素材を組み合わせる服作りよりも、「もっと素材に触れる物作りがしたい」と芸術系の専門学校を探し始めました。
学校選びで訪れた大阪芸術大学附属大阪美術専門学校で、陶芸の立体オブジェを目にした正守さん。「渋くて、かっこいいと陶芸に魅かれました」と、その時の気持ちを語ります。当時その学校では、立体オブジェで有名な作家を講師に迎えていたこともあり、正守さんは立体作品作りに励みながら、陶芸の世界にのめり込んでいきました。