No.115カジヤスゴイハーブBOX

カジヤスゴイハーブBOX

世界で一番のハッピーを届けるギフト

調味料になるハーブを育てる

広島県三原市の山あいにある「梶谷農園」。訪れたのは季節外れの雪に見舞われた初春。ビニールハウスの中では、様々なハーブが芽を出し、葉をのばし、花を咲かせていました。取材に応じてくださったのは梶谷朋子さん。朋子さんは梶谷家の次男・耕治さんとの結婚を機に、梶谷農園を手伝うようになりました。
まずは農園内にあるビニールハウスを見学させていただくことに。慣れた手つきでハーブや花を摘み取っては、手のひらに乗せてくれる朋子さん。「これはナスタチウム。辛味を感じると思います」。どれどれ、と口に入れてみると…なるほど! ツンと鮮烈な香りと辛味が鼻に抜けます。「あ、ワサビみたい!」その感想に朋子さんは頷きながら、今度は可愛らしい花を摘んで、また手のひらに乗せてくれました。「これはアリッサム。レストランではこの花を一つひとつピンセットでとって、料理を飾るんです」。
葉っぱ一枚、花一つがもたらす味覚が、こんなにも複雑で、バラエティに富んでいることに、心底、驚きました。「シェフたちは、これらのハーブや花を調味料代わりに使うんです」。水耕でなく土で育てることで、シェフが求める鮮やかな色や鮮烈な香り、そしてパンチ力のある力強い味わいのハーブが育つのだと朋子さんは教えてくれました。

託されたバトン

梶谷農園は、朋子さんの義父母にあたる満昭さんときよみさんが一から創りあげた農園です。梶谷夫妻は夏でも育つように改良された「F1」という品種のほうれん草の栽培を、全国でいち早く成功させたり、今ではスーパーで当たり前のように販売されている「春の七草セット」を考案したりと、斬新なアイデアで全国でも注目される存在だったといいます。また、当時としてはまだ珍しかった有機農業に取り組み、コンパニオンプランツとしてハーブも育てていました。乾燥ハーブしかなかった時代に、生のハーブを育てていることが知れ渡ると、国内のシェフたちから問い合わせが殺到したといいます。
そうして順風満帆に成長を続けていた梶谷農園ですが、1993年、父・満昭さんが大事故に遭い、片足切断の半身麻痺になってしまいます。きよみさんは満昭さんのリハビリのために兵庫県まで通いながら農作業もこなし、農園を守り続けました。そして1999年、次男の耕治さんが朋子さんとの結婚を機に夫婦で就農、梶谷農園を引き継ぎます。父や母が築き上げた梶谷農園の看板を守りつつ、自分たちのしたい農業を目指すのはたやすいことではありませんでした。試行錯誤の時期が数年間続き、精神的にきつかった時期もあったと、朋子さんは当時を振り返ります。

世界が認めるKAJIYA FARM へ

そうして満昭さんの事故から十数年が経った頃、中学から大学までカナダに留学し、園芸のエリート校といわれる「ナイアガラ園芸学校」で農業を学んだ、三男の譲さんが帰国することになりました。一方、実はカスタムバイクの世界でプロ級の腕前をもち、そちらでの起業も考えていた耕治さんは、梶谷農園を譲さんに託して、新たな道を歩む決心をします。朋子さんはそんな夫を応援しつつ、自身は農園の仕事を続けることに。2007年のことでした。
バトンを受け取った譲さんは、ハーブ栽培を農園の柱に据えると同時に、海外の経験を生かして農作業そのものを見直します。例えば草取りは、生えてしまった雑草を取るのではなく、そもそも生えないようにする。また害虫は発生してから駆除するのではなく、発生しない工夫をするという具合。また、作物の“旬”を大事にすることにもこだわりました。育つべき時に芽を出し育ったハーブは、害虫がつきにくく、味も濃くなるためです。
そして譲さんの一番の功績は、“自分たちが作りたいもの”ではなく、“求められるもの”を作るというスタンスを根付かせたことだと、朋子さんはいいます。「花や葉のサイズや色、味の強さを細かく育て分けて、お客様の要望通りのもの提供するというのは、この業界にはなかった発想でとても驚いたのを覚えています」。

梶谷農園の逸品/カジヤスゴイハーブBOX

それ以降の快進撃は皆さんもご存知の通り。「梶谷農園のハーブ」というブランド価値を確立し、国内外の三ツ星レストランと次々と契約、その名は世界に知られるまでになりました。
譲さんの存在なしに、梶谷農園の成功を語ることはできません。ただ、お話を聞いていてもう一つ感じたことは、満昭さんが倒れて以来、農園を守り続けたきよみさん、そしてそれを引き継いだ耕治さん・朋子さん夫妻の頑張りがなければ、譲さんがバトンを受け取ることはなかったかもしれないということ。
そう伝えると、「譲さんがやっぱりすごいと思うけど、もし私たちも力になれたのだったら嬉しいかな」と、はにかむ朋子さん。取材中、ずっと感じていたのは朋子さんのひたむきな姿、そして一生懸命で裏表のない人柄。「気がつけば、梶谷農園で一番の古株になっていた」と笑う、この朋子さんもまた、梶谷農園の大きな支えになっていることは間違いありません。
そんな朋子さんが逸品に選んだのは「カジヤスゴイハーブBOX」。箱を開けた瞬間の驚きとハッピー感が半端なく、贈られた誰もが必ず喜んでくれる一品。実は、去年の母の日のプレゼントに利用したのですが、想像以上に喜んでもらえて、こちらまで幸せな気持ちになりました。ぜひ皆さんも、笑顔にしたいあの人に贈ってみてはいかがでしょう。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 イソナガアキコ

店舗情報

写真:カジヤスゴイハーブBOX

カジヤスゴイハーブBOX

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