No.138着物コーディネート

着物コーディネート

とっておきの着物コーディネート

色とりどりの着物空間

扉を開けると、色とりどりの着物の数々に圧倒されました。個性的な着物に合わす、小物、草履やバッグまで、はっきり言ってドストライクです! 入った瞬間から心躍るこの空間は、「放課後キモノ倶楽部」。店主の板羽エミコさんは、穏やかな喋り口ながら、ポンポンと面白いワードを繰り出し、相手の心をあっという間にほぐしてくれる達人のよう。大正昭和レトロを感じさせるキモノは、2010年開業時は、すべて板羽さんのコレクションだったアンティーク着物を貸し出していたといいます。現在は、新しい着物やアンティーク着物の復刻版デザインのものなどを中心に、「色の組み合わせでレトロ感を出し、着る人の顔に合わせ、メインの色を決めて、重ねていくオシャレが着物だと思います」。唯一無二のコーディネートで、婚礼や成人式、卒業式などの人生の節目に花を添えています。

アンティーク着物の魅力にハマる

「放課後キモノ俱楽部」で、すっかりお馴染みの板羽さんは、前職は看護師として16年働いていたというキャリアの持ち主。看護師時代に、「たまたまファッション誌で見た、オシャレな着物のスタイルに、今から着物がくる! と思ったんです」。お母さまがお茶の先生をしていたこともあって、子どもの頃からお正月などに着物を着せてもらう機会があったという板羽さんは、着物は堅苦しいものだと思っていたといいます。ファッション誌で見たファッションとしての着物の可能性に、どんどんハマっていった板羽さんは、アンティークの着物を集め始め、自分で着付けを学び、着物を洋服のようにファッションとして楽しむようになっていきました。「これは、あとで知ったことなのですが、呉服屋を営んでいた祖父は、『次は洋装がくる!』と思い立ち、戦後に呉服屋を洋装店にしたと聞きました」。新しい事を思い立ち、それをすぐさま行動に移すというバイタリティーはおじいさま譲りだなと感じました。

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人生の節目に寄り添う着物

ファッションとして着物にハマり、たくさん集めていたアンティーク着物のレンタルを始め、2010年「放課後キモノ俱楽部」をスタートしました。始めた当時は、とにかくコーディネート力を高めるため、色々なバリエーションや合わせを研究したといいます。たくさんの縁にも恵まれ、「一緒に仕事をしよう!」と声をかけてくれる人も多く、イベント出店やオリジナル着物の開発など、様々な事にチャレンジしてきたといいます。「人にひっぱってもらって、いつのまにかトロッコに乗せられているような感覚なんです。トロッコ人生です(笑)」スタートから10年経ち、成人式から卒業式、そして婚礼まで、すべての人生の節目に関わらせてもらう事も多いといいます。「若い時から知っているお客さんがママとなって、子どもの七五三で着るママの着物のレンタルでも、ここに来てくれたりするんですよ」。板羽さんのコーディネート力と人柄の虜になるのもうなずけます。

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板羽さんのコーディネート力

板羽さんは、お客さまが来た瞬間に服装や髪型、メイクやトータルの雰囲気で、パパっと「この人は、こういうコーディネートが似合うだろうな」とイメージが沸くといいます。この人間観察力は、前職の看護師だった時から培ってきたものです。まずは、その人の着たい着物の雰囲気や好みの色などをヒアリングし、小物なども合わせながら提案していきます。「着物は足し算、引き算で楽しむことができるファッション」顔映りがよく見えるよう、この色に何が合うのか瞬時に考え、様々な小物を合わせながら、似合わせコーディネートを提案してくれる姿は、まさに神業です。広島では板羽さんのようなファッションとしての着物を提案しているお店は、まだまだ少ないので、「もっと着物を洋服の様に自由に楽しんでもらいたい。広島のお洒落人生に小指くらいは協力したいです(笑)」と板羽さん。着物をもっと日常に、唯一無二の着物コーデを楽しんでみませんか。

写真 MiNORU OBARA / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

写真:着物コーディネート

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