No.139海苔・陶器

海苔・陶器

美味しいお海苔と かわいいお茶碗

海苔屋さんが始めた陶器のセレクトショップ

創業60年以上続く海苔屋さんの店舗にお邪魔すると、明るくナチュラルな空間に、カラフルな陶器がいっぱいに並べられているのが目に飛び込んできます。社長の吉川雄太さんは代々続く海苔屋の3代目。祖父が始めた海苔屋を継ぎ、現在もご家族でお店を切盛りされています。
先代だった父は、子供の頃の雄太さんに「海苔屋を継がなくてもいいよ」と言い、人生を自由に選ばせてくれました。雄太さんは“したいと思ったことに飛び込んでいく”大胆な性格。高校卒業後はアメリカの大学でアートを学びました。刺激的なアメリカ滞在中、母から届いた日本の美を紹介する本を見て、研ぎ澄まされた日本庭園の美しさに心惹かれます。帰国後は庭師に挑戦し、7年間勤めました。
「造園の職人の世界で身につけた『段取り力』は現在の仕事に活かされています。仕事を効率よくできないか? 新しい見せ方や売り方はないか? 日々頭を使い、会社の舵取りをしています。」

会社を守りながら 新しいことにトライ

海苔屋を継いだのは、働いている父の姿を見て手伝ってあげたいなと感じ始めたからです。雄太さんは思い切って造園業を辞め、家業を継ぎました。
もう一つの主力商品となる陶器は雄太さんが扱い始めたもの。経営者として、海苔以外の軸も見つけたいと常々考えていた雄太さん。海苔を仕入れに有明海に行った際、陶磁器の産地である長崎の波佐見町に寄りました。現地で食器を仕入れ、少量を販売したのが始まりです。
初めは棚板1枚程の場所に小ぢんまりと置いていた陶器は、3年経った現在、お店の7、8割を占めるスペース程に置かれ、SNS流行の波に乗り 毎日30箱の陶器が日本中に出荷されてます。
「ネット通販はずっとやりたくて準備をしていました。それが自粛期間でSNSの閲覧が増加したタイミングに上手く乗れたみたいです。でも一つのことをやっていればいい時代じゃない。新しいものにまだまだトライしていきたいと思っています。」

祖父から受け継がれた 丹精込めた海苔づくり

オンライン販売に注力してきた背景には、海苔への熱い想いがあります。「海苔屋が作る『本当に美味しい海苔』を一般の方に知って欲しい。」と、雄太さんは言います。
大黒屋には、創業した祖父が残した2つの決まりがあります。
まず、材料には有明の美しい山水を湛える有明海の、最も上質な「一番摘み」の海苔を使うこと。そして海苔の味付けに使う「だし」は、出来合いの物を使わず自分達で手作りすること。干しえび・昆布・いりこを大窯に入れ、1日つきっきりで煮詰める「特製だし」を、手間暇かけて作り続けています。
有明海に足を運び、自分たちの舌で素材を確かめ持ち帰る。だし一滴一滴、海苔一枚一枚にこだわった良い物を作り、食卓へつなぐ。それを60年以上続けてきた大黒屋。
先代の想いはそのままに、でも新しい方法でこの味を届けていきたい。3代目雄太さんの挑戦はまだまだ続きます。

癒されるお茶碗と 美味しいごはんのお供

こちらはお茶碗と人気の味付け海苔です。従来のプラスティックのケースではなく、クラフトペーパーバッグに入った海苔はとってもおしゃれでお土産にも喜ばれそう。このシリーズではブラックペッパー味が一番人気だそうです。
袋を開けると、ふわっと磯の香りが広がります。海苔がのったホカホカご飯を口に入れると…「だし」の甘味が絶品! 海苔の香りが鼻腔をくすぐり、ご飯がどんどん進みます。
次に、海苔だけでも頂いてみました。ブラックペッパーが後口にピリッと効き、もう一枚、もう一枚と後ひく美味しさです。チーズを間に挟むと最高のビールのおつまみに! このシリーズにはワサビ味、明太子味もあり、ワインや日本酒などと一緒に楽しむのも良いそうです。
毎日の食事をもっと楽しみたい方は、心癒される食器とごはんのお供を揃えてみるのはいかがでしょう? 観音のお店では商品を実際に手に取ることができ、店主の海苔への熱い思いが聞けますよ。

写真 MiNORU OBARA / 取材・文 日高愛子

店舗情報

写真:海苔・陶器

海苔・陶器

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