No.146はつかいちごの食前酢

はつかいちごの食前酢

郷土愛が詰まった 華やかな色の苺酢

素材にこだわった和懐石を日本建築でいただける名店

廿日市平良にある「旬菜蔵(しゅんさいくら)」。築130年の蔵と素敵な中庭を眺めながら懐石料理をいただけるお店です。
地産地消、ごみの減量化、CO2を出さない太陽光発電、漁民の森作りなど、地球環境を配慮したお店作りをされています。使う食材は地元・廿日市を始め、中国地方を自分の足で駆け回り、生産者さんの顔が見える安心なものばかり。
廿日市産の苺を使った逸品「はつかいちごの食前酢」はこのお店で作られます。
料理人であり店主の友安健さんは、生まれも育ちも廿日市。「子供の頃は山や海を駆け回って遊んでいました。うちは代々農家だったこともあり、自然を身近に感じながら育ちました。」そう優しい笑顔で語る友安さん。
小さな時から料理をするのが好き。自分流に工夫するのが面白かったと言います。
大学は、大好きな自然が多く残る北海道の学校に進学。酪農を専攻しましたが、日々暮らすうち北の大地が育む豊かな食文化に心を奪われ、料理人の道を志したのでした。

先祖が残した立派な蔵を活かして 自分の店を

料理人の世界に飛び込んだ友安さん。20代は洋食、和食の店で修業の日々が続きます。早朝から晩まで休むことなく働き、料理の腕と料理人の意識を身体に刷り込むようにして学びます。
料理長を任され数年が経った頃、かねてから持っていた“自分の店が持ちたい”という目標を叶えるため動き始めました。
実家に先祖が建てた立派な“蔵”があるのだから、情緒ある日本家屋で和食を楽しんでもらえる店を作ろう。
古材集めから施工完了まで一年かけて、“旬菜蔵”をオープンさせました。信頼できる生産者から仕入れた素材を使う料理と、心安らぐ空間を楽しむために、遠方からも多くのお客様が来店されます。
開店から17年が経って“旬菜蔵”の名が知られた今でもお客様一人一人に声を掛け、お見送りされる姿勢に謙虚なお人柄を感じます。

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地元の苺を使い商品を開発

「夏は暑いし冬は寒い。生産者さんは苦労されながら野菜を作っています。自分も農家の息子なので身に沁みて分かる。だから料理人は丹精込めて料理する責任があります。」友安さんは食材に敬意を込め、日々腕を振るいます。
「はつかいちごの食前酢」は、地元の農家さんが収穫した苺を使った商品。「はつかいちご」は、廿日市で取れる苺のブランドです。友安さんが地元の農家さんと関わる中で、「この廿日市の苺を使い何かしたい」と思う郷土愛から生まれました。
苺ジャムでは注目を浴びづらいから…梅酒を漬ける要領で苺酢を作ったらどうだろう?と果実酒用の瓶で作ってみたのが製造のきっかけ。苺を千日酢と氷砂糖にじっくり漬け込むと、透き通った赤橙色の苺酢が出来上がりました。
こちらは懐石料理に添える食前酢として提供され、甘酸っぱい味が人気を博しています。
「生まれ育った廿日市の自然と生産者さんを、食を通じて今後も応援していきたい。」友安さんはそういいます。

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爽やかな苺の甘さ 心も体もリフレッシュ

“はつかいちごの食前酢。”見た目にも透き通った赤橙色が美しく、上品な逸品です。原材料は米酢、廿日市産の苺、氷砂糖のみで着色料などは一切使っていません。
まずはソーダ割りでいただきました。本物の苺の自然な甘み×しゅわしゅわの炭酸で、さっぱりとしたビネガードリンクになりました。ロゼワインのような色にも心癒されます。
続いて牛乳割りにしてみると、とろっとした苺味のヨーグルト風ドリンクに。まろやかでほんのり美味しく、お子さんや若い方にも好まれそう。
ジンで割ればオシャレなカクテルに早変わり。お酢のクエン酸には疲労回復効果があり、心も体もスッキリしたいときにおすすめです。

写真 MiNORU OBARA / 取材・文 日高愛子

店舗情報

  • 店名

    有限会社蔵

  • 住所

    〒738-0026広島県廿日市市上平良1373-2

  • 連絡先

    0829-37-3151

  • 営業時間・
    定休日

    【営業時間】昼:土日祝12:00~15:00(13:00までにご来店ください)、平日12:00~14:30
     夜:18:00~21:30(19:00までにご来店ください)
    【定休日】水曜日、木曜日(臨時休業の場合もあるので電話にて問い合わせください)

  • HP

    http://syunsai-kura.jp/

写真:はつかいちごの食前

はつかいちごの食前

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