No.007アイシングクッキー

アイシングクッキー

コナサンのはじまりのお菓子

心にやさしいお菓子をつくるひと。

コナサンのお菓子をひと言で表現するとしたら、「ほっこり」という言葉がぴったりな気がします。どれもおしゃれで可愛らしくて、“インスタ映え”しそうなお菓子ばかりだけれど、それでいてお母さんが子どもために手作りしてくれたおやつのような、素朴さだったり、やさしい温もりだったりも感じるのです。例えばもし、とても落ち込んでいるときにコナサンのお菓子を食べたなら、そのやさしさに安堵して涙がポロポロこぼれてしまうんじゃないか、と想像してしまうのです。
そんな私の妄想は、コナサンの店主・こうなかよこさんにお会いしたときに確信に変わりました。一つひとつ、ゆっくりと言葉を選びながら質問に答えてくれるこうなさんは、コナサンのお菓子のように、温かでやさしさに溢れる女性だったからです。

「自分に誇れる仕事をしたい」

子どもの頃からお菓子作りに興味があり、お姉さんと誕生日ケーキを手作りしたりしていたというこうなさん。高校卒業後は迷うことなく大阪の製菓専門学校に進学、卒業後、広島に戻ってパン・洋菓子店を経営する会社に勤めました。
それはただ、好きなケーキ作りを仕事にできたらと思ったからで、「独立して店を構えたい」という願望も野心も全くなかったという、こうなさん。年数を重ねるうちにケーキ作り以外の仕事も任されるようになると、それがだんだんと重荷になってきたといいます。「好きを仕事にしたはずなのに、しんどくなってしまって」と、その会社を退職。その後は定時で必ず終わる工場の仕事に就いて、趣味としてケーキやお菓子を作るようになりました。
「職業としてケーキを作るのは、もういいや」と思っていたこうなさんですが、そのあと転機が訪れます。2011年の東日本大震災の影響により、東京でデザインの仕事をしていた高校の同級生だった友人が帰広します。広島でもデザイナーとしてバリバリと仕事をこなす彼女と過ごすうち、それまでこうなさんにはなかった「自分の力で誇れる仕事をしたい」という気持ちがムクムクと湧いてきたのです。

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踏み出すきっかけをくれた同級生の存在

「何かするなら、やっぱりお菓子作りを仕事にしたい、でもどうしたらいいのかわからない」。悶々としながらなかなか行動に移せない彼女を見かねて、その友人がちょっとした肩書きをプレゼントしてくれます。それは『週末パティシエ』という名前。そして当時の広島ではまだ一般的でなかったアイシングクッキーの存在を教えてくれたのでした。ほどなく、アイシングクッキーを作っては、友人と二人でイベントなどで振る舞うようになります。それが評判となり、仕事として依頼される機会が増えたため、2013年から『週末パティシエ』として活動を始めたのでした。
しかし5年が経った頃、友人が拠点を東京に移すことになり、これをきっかけに2018年2月、こうなさんは『コナサン』として独り立ちすることになりました。

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こうなさんおすすめの逸品/アイシングクッキー

こうなさんが今回、逸品として選んでくれたのは、もちろんアイシングクッキー。「私が今、こうしてコナサンとしてやっていられるのは、『週末パティシエ』を一緒に立ち上げて、私をふるい立たせてくれた友人のおかげ」と、感謝の気持ちも込めて、この一品を選んでくれました。コナサンがオープンする時も、その友人は運営計画を一緒に考えてくれるなど全面的にバックアップしてくれたのだそう。現在も東京でデザイナーとして忙しい日々を過ごす傍ら、コナサンのロゴやパッケージデザインを担当してくれているのだといいます。
そんな二人の思い出がぎゅっと詰まったコナサンのアイシングクッキーは、ブローチにして身につけたくなるほどの可愛らしさ。日持ちもするのでギフトにもぴったりです。ちょっとしたお礼の一品に、また何かのプレゼントのプラスアルファに、コナサンのアイシングクッキーをそっと添えてみてはいかがでしょう。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 イソナガアキコ

店舗情報

  • 店名

    コナサン

  • 住所

    〒730-0851 広島市中区榎町5-14 榎町ビル401

  • 連絡先

    082-533-6309

  • 営業時間・
    定休日

    営業日はSNS、店舗カレンダーまたはお電話でご確認ください。

  • Instagram

    https://www.instagram.com/konasan.hiroshima/

写真:アイシングクッキー

アイシングクッキー

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