No.010育てる紫陽花ブレスレット

育てる紫陽花ブレスレット

時間が育てる変化を楽しんで

移住して掴んだ、お店を持つという夢

広島市内から高速道路を使って1時間あまり。長閑な田園風景が広がる東広島市福富町に「スドウ雑貨店」はあります。雑貨や手作りに興味がある人なら「こんな自分のお店が持てたら」と憧れてしまうような、絵本の中に出てきそうな可愛いお店です。この店を営んでいるのは、レザー作家の周藤友里耶さんと絵描きの周藤翔太さん夫妻。
移住前は広島市内で暮らしていたふたりですが、翔太さんのお爺様がかつて住んでいた東広島市福富町の古民家への移住を決意。知人や友人からは「そんな田舎に行って暮らしていけるの?」「仕事はどうするの?」と心配する声もあったそうですが、どこに住んでいても大変なことはきっとあるし、自分たちの人生だから大丈夫! と、2013年に思い切って移住。その4年後の2017年には、自宅敷地内に店舗となる建物をほぼDIYで作り、「スドウ雑貨店」をオープンしました。

お互いの夢を支え合って

もともと呉市内で美容師をしていた翔太さんですが、皮膚が敏感で薬剤で爪がはげるほど手荒れしてしまい、美容師を続けることが困難になります。「自分は何をしたらいいだろう。何がしたいんだろう」。24歳で自身の生き方について見つめ直すことになった翔太さん。考えに考え抜いて出した結論は「絵描きになりたい」というものでした。
それまで絵を描いた経験もなかった翔太さんに「絵描きになりたい」と打ち明けられた友里耶さん。それでもすぐに「ああ、いいね。きっと楽しいよ」と賛成したといいます。それは、自身も革小物を趣味として作り続け、「いつかはお店を持ちたい」という夢を持っていた友里耶さんだから、理解できた夢だったのでしょう。心強い味方を得た翔太さんは、アルバイトをしながら独学で絵の勉強を始めます。そして福富町で画家としてのキャリアをスタートさせました。

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家族の愛が作品を生み出す力になる

一方、学生時代の頃から革小物を作り続けていた友里耶さん。念願だったお店を持つ夢を叶えましたが、今は、3人の子育ての真っ最中。製作に打ち込める時間はごくわずかです。それでも今、この福富町での暮らしが作品作りにいい影響を与えているといいます。
「街中に住んでいるときは、とても便利でなんでも揃うからこそ、自分は何が好きなのかわからなくなっていたんです。だけど、ここに住んで自然の流れで生きることで本当に必要なもの、好きなものが何かわかるようになりました」。
毎日、早く寝て、早く起きて、畑で育てた野菜で食事を手作りして、家族で美味しくいただく。そんな暮らしを毎日続けて気づいたこと。それは「最後の最後に残るのはやっぱり家族なんです。夫婦仲良く、家族仲良くが一番。そういう無償の愛が、いい作品を生み出す力になるんだとわかりました」。こんなに尊くて素敵な言葉をさらりといえる友里耶さんに、人としての強さと美しさを感じずにはいられませんでした。

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周藤さんおすすめの逸品/育てる紫陽花ブレスレット

今回、友里耶さんが選んでくれた逸品は、「育てる紫陽花ブレスレット」。
「花を見ていると元気がもらえるんです。だから花をずっと見ていたくて」という自分自身の願いが創作のきっかけになったというこのブレスレット。つけると、紫陽花モチーフのほどよいボリューム感が手元を優しく華やかに彩ってくれます。花がドライフラワーになるように、時間の経過とともに変わりゆく革の表情も楽しんでもらえたら、と友里耶さん。色は希望の色味を伝えると、赤、青、黄の3原色を混ぜ合わせて、オリジナルの色を作って手染めしてくれます。だから自然の中で育つ紫陽花のように、このブレスレットも一つひとつが唯一無二の作品。自分へのご褒美に、そして大切な誰かへのプレゼントにいかがでしょう。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 イソナガアキコ

店舗情報

写真:育てる紫陽花ブレスレット

育てる紫陽花ブレスレット

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