No.023季節の野菜ボックス
手間ひまかけて、じっくり育てたGenki野菜たち
夫婦2人で育てる安心・安全・Genkiな野菜
東広島市志和町志和西。広島市安佐北区からの北風が吹き抜ける谷に沿った志和の盆地に、麓夫婦が手間ひまかけて育む「志和の盆地野菜ふもとや」の畑があります。Genki野菜クリエーター(野菜作り担当)の清志さんと、Genki野菜コミュニケーター(野菜販売担当)の陽子さんが、無農薬・有機栽培で育てるのは、私たちが普段からよく使うなじみのある国の指定野菜14品目に加え、中国野菜、ヨーロッパの野菜、ハーブなど年間で40から50品目の野菜たち。手間ひまかけて育てた野菜は、味がしっかりのった元気な野菜ばかり。サラリーマンだった麓さんが一家で志和に移り住み、農業を始めるまでの物語を聞かせていただきました。
農業のきっかけは、1冊の雑誌から
麓さん一家が住んでいたのは広島市安佐南区。清志さんも陽子さんも広島市内の会社で、サラリーマンとして勤めていました。「マンション住まいで、家庭菜園すらしたことがなかった」と陽子さん。そんな2人が「農業」に出合うのは1冊の雑誌がきっかけでした。出張に出かけた清志さんが、ふと目にした「脱サラ就農」という特集。なぜか気になった清志さんは、雑誌を購入しました。「『農業っておもしろそうだな』って読みながらつぶやいたのを覚えています」と陽子さん。「まさかあの言葉が、その後の人生に影響を及ぼすとは思ってもみませんでした」と笑って話してくれました。
同じころ、不規則な生活やストレスから清志さんのアトピー性皮膚炎が悪化してしまいました。漢方薬を服用したり、有名な皮膚科で治療をしたり、会社を少し休職して治療に専念する時期もあったそう。「皮膚科の指導は、生活を整えることから始まりました。和食を基本に朝昼晩3食きちんと食べること、適度な運動をすること、しっかり寝ること。人間として当たり前のことですが、当時の自分には難しかった」と清志さんは振り返ります。治療の甲斐ありアトピーは改善しましたが、人として当たり前のことすらできない暮らしに疑問を感じるように。あの雑誌を手にしたころからあるモヤモヤした気持ちと結実し、清志さんは自分が望む生き方を模索し始めました。
同じころ、不規則な生活やストレスから清志さんのアトピー性皮膚炎が悪化してしまいました。漢方薬を服用したり、有名な皮膚科で治療をしたり、会社を少し休職して治療に専念する時期もあったそう。「皮膚科の指導は、生活を整えることから始まりました。和食を基本に朝昼晩3食きちんと食べること、適度な運動をすること、しっかり寝ること。人間として当たり前のことですが、当時の自分には難しかった」と清志さんは振り返ります。治療の甲斐ありアトピーは改善しましたが、人として当たり前のことすらできない暮らしに疑問を感じるように。あの雑誌を手にしたころからあるモヤモヤした気持ちと結実し、清志さんは自分が望む生き方を模索し始めました。
自分に誇れる生き方を求めて
「会社勤めをしていれば安定した暮らしができる。でもそれで自分は本当にいいのか」と清志さんの模索する日々が続きました。もっと人のため、社会のために貢献したいという思いが日増しに強くなったといいます。会社勤めでは見失いがちな「仕事のやりがい」は何なのかを考え、「60歳になったとき、振り返って満足できる人生にしたい」と思うように。心の片隅に残っていた「農業」について調べるうちに、過疎の問題、農業の後継者不足、食料自給率の低下などさまざまな課題を知りました。清志さんは自分が農業に従事することで、こういった課題解決に役立てるのでは? と考えるように。「微々たるものでも力になりたい」と就農への思いを固めていきました。
「農業をやろうと思う。どう思う?」と清志さんが陽子さんに切り出したのは2014年初夏のこと。「お酒飲んでるときに言うから『楽しそうね』なんて気軽に答えたんですよ」と陽子さんは当時のことを振り返ります。「しばらくして、どうやら本気らしいと気が付いて。それからは2人で農家さんの見学に行ったりしました。だけど私はまだ本気じゃなくて」という陽子さんの気持ちとは裏腹に、清志さんは農業の研修先を見つけてくるなど行動に移していきました。清志さんの覚悟を知った陽子さんも心を決め、研修先の志和で家を探し、家族で移住し、農業を始める準備を整えました。清志さんは2015年3月には会社を退職、4月には 安芸の山里農園 はなあふでの研修が開始されました。その後、むささび農園での研修も終え、2016年9月、念願の「志和の盆地野菜 ふもとや」を開園しました。「就農の決意をしてから開園するまであっという間だった」と陽子さん。その時々で迷いや悩むこともありましたが、導かれるように農業の道を歩んでいます。
「農業をやろうと思う。どう思う?」と清志さんが陽子さんに切り出したのは2014年初夏のこと。「お酒飲んでるときに言うから『楽しそうね』なんて気軽に答えたんですよ」と陽子さんは当時のことを振り返ります。「しばらくして、どうやら本気らしいと気が付いて。それからは2人で農家さんの見学に行ったりしました。だけど私はまだ本気じゃなくて」という陽子さんの気持ちとは裏腹に、清志さんは農業の研修先を見つけてくるなど行動に移していきました。清志さんの覚悟を知った陽子さんも心を決め、研修先の志和で家を探し、家族で移住し、農業を始める準備を整えました。清志さんは2015年3月には会社を退職、4月には 安芸の山里農園 はなあふでの研修が開始されました。その後、むささび農園での研修も終え、2016年9月、念願の「志和の盆地野菜 ふもとや」を開園しました。「就農の決意をしてから開園するまであっという間だった」と陽子さん。その時々で迷いや悩むこともありましたが、導かれるように農業の道を歩んでいます。
ふもとやさんおすすめの逸品/季節の野菜ボックス
ふもとやさんがお薦めするのは、無農薬・有機栽培で育てた野菜たち。四季折々に季節の野菜を詰め合わせ、個人宅に宅配しています。他にも、LECTわくわく広場や西条の産直市場(となりの農家)などで販売されています。ふもとやの野菜を作るのは清志さん主導ですが、広く知ってもらうのは陽子さんが主役。「食に不安を感じている人、アレルギーがある人、持病などで食事に制限のある人に安心して食べていただける野菜です」と愛情いっぱいに野菜について語ります。「食べたら違いが分かるから」と野菜ソムリエの資格も生かし、簡単にできる食べ方などをイベントに来るお客様に伝えたり、SNSでも発信。「ふもとやごはん」として紹介される麓家の食卓には、生産者ならではのおいしい野菜料理がずらりと並び、どれも食べてみたくなるものばかりです。「いつか、ふもとやの野菜を実際に食べてもらい、おいしさを伝えていける場を持ちたい」と陽子さんは話してくれました。「農業を通じて、もっと社会に貢献したい」と麓夫妻はこれからも二人三脚で歩んでいきます。
写真 加藤郁夫 / 取材・文 山名恭代
店舗情報
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店名
志和の盆地野菜 ふもとや
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住所
〒739-0268 広島県東広島市志和町志和西701-1
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連絡先
090-3880-5372
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営業時間・
定休日【営業時間】日の出から日没まで
【定休日】不定休 -
HP
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Instagram
季節の野菜ボックス