No.039ドリップコーヒー(浅煎り)
これがコーヒー!? 世界観のかわる浅煎りドリップ
グラフィックデザインからコーヒーの世界に転身
店舗を持たないフリースタイルの女性バリスタ。お話を聞いたのは、mgm coffeeの代表 川本めぐみさんです。皆さんにとってコーヒーってどんなものですか? カフェインを取るためのものですか? いつもの目覚まし代わりですか? もしくはカフェでなんとなく注文するものですか? 私も含め、よく飲む方は「コーヒーってこんなものだよね」ってイメージが既にあると思うんです。ですがめぐみさんは そんな「イメージ」を壊したいそう。「本来コーヒーにもいろんな味があります。シチュエーションに合わせて味を選ぶ楽しみを多くの人に知ってほしい。私は自分をコーヒーの世界を広げる役目だと思ってます!」第一印象は物静かでクール。でもコーヒーについて語りだすとめちゃくちゃアツい彼女! 実は飲食の道を目指していたわけではなく、元々はグラフィックデザイナーをされていたそうなんです。では何故コーヒーの道に?
これがコーヒーか! という衝撃がきっかけでこの道に
デザイン業界・印刷業界はとても忙しい。いつもいつもパソコンとにらめっこ。休憩のとき飲んでいたのはコンビニのコーヒーでした。デザイナーめぐみさんの運命を変えたのは…広島のとあるお店のコーヒー。「これがコーヒーだったのか! って“はっ”としました。自分が知っているコーヒーじゃなかったんです!」。そこから興味を惹かれ、次第にこれまで知らなかったコーヒーの世界にどっぷり浸っていくことになります。評判のいいコーヒーショップめぐりを始め、次第に行動範囲が広がり、やがて東京にまで出かけていきます。「コーヒーには人を動かす力があると思うんです」。いまや彼女の元には、県外から会いに来てくれる人たちがいる。自分でコーヒーショップをするために修行を積んだ、名古屋時代に仲良くなったお客さんやバリスタの方たちです。
コーヒーをリスペクトしている店で働きたい!
広島で開業するまでの2年間、めぐみさんは名古屋の名店TRUNK COFFEEで働くことに。コーヒーはたくさんの人に飲まれてはいるけど、適当にドリップされ、消費されている…。そんな風にぞんざいに扱われていることが許せなかったから、コーヒーが大切にされてるお店で働きたかったのです。「エチオピア、グアテマラ…豆の名前になっているのは生産地名ですけど、その背景にはたくさんの労働者、輸出業者がいる。日本の私たちの所に届くまでにたくさんの人の労力がかかっているはずですよね。ロースターが焙煎し、バリスタは最後の走者。関わっている人からバトンを渡されたアンカーなんですよ」。2019年彼女はTRUNK COFFEEから卒業し広島で独立しますが、修行時代お店で学んだ真剣な想いはそのまま。本当に美味しいコーヒーに出合えるチャンスを提供したいとの思いから、店舗は持たず移動しながらの出店を続けているのです。
浅煎りコーヒーを美味しく飲める場所
めぐみさんが淹れてくださるのは浅煎りコーヒー。岐阜の美濃焼で作られた「ORIGAMIドリッパー」を使って淹れるのが特徴的です。TRUNK COFFEEのオーナーが監修したドリッパーですが、赤色がめぐみさんのトレードマークになっています。琥珀色のコーヒーは香りがよく、あっさりとした爽やかな味…苦みがほとんどなく、コーヒーの印象が全く変わるようなお味の一杯でした! 一口に浅煎りといっても豆によって味わいが全然違うそうですが、詳しくないと何を選んでいいか分からないですよね? 困ったときはめぐみさんに相談してみてください。豆を選び、顔をみて、相手に合わせて少しずつ淹れ方を変え、「これがコーヒー!?」って驚く一杯を淹れてくれますよ。
写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子
店舗情報
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店名
mgm coffee(エムジーエムコーヒー)
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住所
出張型の店舗につき詳細はインスタにて。
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連絡先
080-2880-8950
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営業時間・
定休日【営業時間】場所、時間の詳細はインスタにて
【定休日】場所、時間の詳細はインスタにて -
Instagram
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その他
【撮影協力場所】現在メインバリスタを務めるホテルKIRO 1階のコーヒースタンド「cicane liquid stand」
ドリップコーヒー(浅煎り)