No.002アースベリーブレンド

アースベリーブレンド

“いいとこ取り”だから一番美味しい

苦味・酸味だけじゃない、コーヒーの奥深い世界

「フルーティ」「キャラメルのような風味」「ミルクチョコレートのような甘み」。
これらは全て、片岡晃さんがコーヒの風味を表現するときに使う言葉。正直に告白すれば「フルーティーなコーヒー」と言われても、「ん??酸味のこと?」なんて思っていたのですが、すすめられたコーヒーを口に含んだ瞬間、「これがフルーティーなんだ!」と開眼してしまいました。一度味わってしまうと、苦味とか酸味なんてものは、コーヒーの味を語る上でほんの一部でしかなくて、その世界はもっと広く果てしないものだと気づかされます。
片岡さんもかつてコーヒーの勉強がてら訪れた福岡のとあるコーヒー専門店で、同じような体験をしたといいます。その店にあったのは「COE国際品評会(※1)」で優勝したコロンビアのコーヒー豆。「説明書きに『マスカット、ピーチ、青リンゴのような風味』と書いてあって、そんな味がするわけないじゃんって試飲したら、衝撃で本当に僕、ひっくり返ったんですよ。今でもはっきりとその味を覚えているんです」。それは、片岡さんがコーヒーの奥深い世界に一歩足を踏み入れた瞬間でもありました。

※1 COEとはCup of Excellenceのことで、業界で一番権威のあるコーヒーの国際品評会。

スペシャルティコーヒーの本質に目覚める

元々は祖父が経営する喫茶店の手伝いからコーヒーの面白さに目覚め、店を本格的に手伝っていくことを考えるようになった片岡さんでしたが、同時に喫茶店という業態には限界も感じていたといいます。そんな時に出合ったのが前出の福岡のコーヒー専門店のスペシャルティコーヒーでした。「当時、東広島市にはコーヒー専門店はもちろん、スペシャルティコーヒーの存在を知っている人もほとんどいなかったので、あんなお店をここでできたらいいなと思ったんです」。そして2012年10月、コーヒー専門店『EARTH BERRY COFFEE』を創業。オープンして間もなく、片岡さんに1つの転機が訪れます。ラッキーが重なり全日本コーヒー協会が主催するエチオピアツアーに参加できることになったのです。「真っ赤なコーヒーチェリーを初めて見て感動して、食べたらめちゃくちゃ甘くて驚いて。そして農園でコーヒーを育てて生活している人たちの姿を目の当たりにした時に、日本で『今年の豆は良くない』とか豆の質をちまちま言っていた自分を『なんだそれ』って。なんてちっぽけなことやってたんだと気づかされたんです」。

本当に美味しいコーヒーだけ届けたい

そのツアーで片岡さんはもう一つ、大きな幸運に恵まれます。世界トップレベルと称されるバイヤーと知り合いになり、そのバイヤーグループの買い付けのツアーに同行させてもらうことになったのです。そこで片岡さんが目にしたのは、バイヤーがカッピングで品質を見極め、クオリティの高いコーヒーを正当な対価で買い付ける「ダイレクトトレード」といわれる取引でした。生産者も、販売者も、消費者もハッピーになるというトリプルウィンを創出するこのシステムに大いに刺激を受けた片岡さんは、その後、カッピングの訓練を重ね国際審査員の資格を取得、正式にバイヤーグループの一員としてダイレクトトレードに参加するまでになりました。
店に並ぶのは片岡さんが吟味したスペシャルティコーヒーだけ。「素材をしっかり感じてもらうために、うちのコーヒーは中煎りと浅煎りが主流です。だから飲み慣れているコーヒーとは少し違うかもしれない。それをきちっと事前に伝えるために、ほとんどのコーヒーが試飲できるようにしています」。片岡さんのコーヒーへの愛情は尽きることがありません。

片岡さんおすすめの逸品/『アースベリーブレンド』

今回、そんな片岡さんに選んでもらった逸品は、中煎りの『アースベリーブレンド』。
尖りすぎてなくて、まろやかで、フルーツのような甘みとコクが感じられるコーヒーとのこと。「深煎りが好きな方も、フルーティーなスペシャルティコーヒーが好きな方も、きっと美味しいと思っていただけるはず」という片岡さん。「やっぱり品評会で優勝したようなコーヒーは個性的なので、単品だと好みははっきりしてきます。その点、それぞれのいいところを引き出し、足りないところを補うようにつくるブレンドは、実はうちで一番美味しいんじゃないかなと思っているんです」。コーヒーを知り尽くした片岡さんが、一番美味しいと太鼓判を押す『アースベリーブレンド』。あなたもこれでコーヒーの深みにハマってみてはいかがでしょう。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 イソナガアキコ

店舗情報

写真:アースベリーブレンド

アースベリーブレンド

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