No.161ドライフラワーのアクセサリー

ドライフラワーのアクセサリー

特別な日も、そうでない日も。身につけた日が、特別な一日に。

「花屋」の概念を覆す、ドライフラワー専門店

呉市役所のすぐそばに建つ、まるで映画のワンシーンを切り取ったかのような洋館。ザラザラの外壁に掛けられたスワッグ以外にヒントは見当たりません。アンティークの大きな扉を恐る恐る開けると目に飛び込んでくるのは、天井に吊り下げられた数々の彩り豊かなドライフラワーたち。「お花屋さんなんじゃね、って言われることも多いです(笑)」と店主の西川奈央子さん。これまでの花屋のイメージとはかけ離れた世界観を持ち、まったく新しい角度で花の魅力を表現するドライフラワー専門店です。西川さんの仕事はドライフラワーを仕立てることから始まります。花の魅力のひとつでもある季節感を大切に、市場で仕入れた生花を、その特性ごとにドライ加工を施していきます。フォルムや色こそが、ドライフラワーの独特な美しさを左右し、その加工技術の高さも人気の秘密のひとつです。

がむしゃらに技術と知識を吸収した修業時代

愛媛県出身の西川さんは子どもの頃から“何かしら作っている子”だったそうで、高校卒業後は東京文化服装学院へ進学し、スタイリスト科でファッションビジネスを学びました。「今振り返ってみると完全に自分探しの旅ですよね」と1年間イギリスへの留学も経験。この時の豊かな時間が、お花に想いを馳せたドライフラワー専門店のオープンを後押しします。結婚を機に広島・呉へとやってきた西川さん。「自分の結婚式のブーケを作ってくれたお花屋さんの手仕事の美しさやステキな生き方に感動し、私もやってみたいと思うようになりました」。持ち前の行動力とド根性で、学びと実践を繰り返して様々な資格を取得。「気がついたら講師をしていました(笑)」と西川さんは笑います。少し環境を変えてみようと、ブライダル業界へ飛び込んだのが2010年のこと。そこで大量消費される装花の現実を目の当たりにします。

きっかけは、大量に消費される装花たち

ホテルウェディングの装花担当となり、これまで扱ったことのない大量の花を扱うように。「毎日、毎時間、式ごとに入れ替わる花たちを見ていると、何か違うものとして使えないかなと思うようになりました。長さ調整のために切り落としたわき芽の出た茎をゴミ箱から持ち帰り、挿し木にしたり、ドライフラワーにしたりして自分の中で花と向き合っていたのだと思います」。変わらない美しさと、変わる美しさ。お花にはその一瞬だけでなく、時間の経過とともに変化する美しさがあることに気づきます。約10年の修業を経て、2017年2月ドライフラワー専門店『botanico』をオープンしました。そして、2021年2月、西川さんの原点でもある生花を扱う姉妹店『waremokou』も徒歩5分の場所にオープン。「ドライフラワー専門店と生花店を持つことによって、あの日思った“もったいない”の気持ちが美しさの循環として回収できたような気がします」。

アクセサリーとして、お花を纏うということ

「ドライフラワーの魅力は今ここにある美しさを保てること。空間を彩るだけでなく、その人自身を彩るファッションアイテムとして身につけることができれば、もっとその魅力を多くの方に楽しんでもらえるのではと思いました」と西川さん。長年温めていた想いをアクセサリーとして表現することに。とはいえフォルムのしっかりしたドライフラワーといえど、あくまでも素材は花。しかも、普段使いできることが絶対条件。試作品を身につけて実際に過ごし、丈夫さだったり、暮らしの邪魔になっていないかを入念にチェック。試行錯誤によって辿り着いた加工技術によって強度と風合いのバランスを保つことで、botanicoらしいアクセサリーが完成しました。ディスプレイに並ぶアクセサリーはどれも華奢でありながら、1点ものならではの個性を放ちます。自分へのご褒美に、お花を贈りたい大切な人への贈りものにぴったりな逸品です。

写真 篠原ゆき / 取材・文 村山ゆかり

店舗情報

写真:ドライフラワーのアクセサリー

ドライフラワーのアクセサリー

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