No.061パンとおやつの教室体験

パンとおやつの教室体験

五感で楽しむ手ごねのパンづくり

住宅街の小さなパン教室

横川駅から歩いて6分ほど。国道を少し入った住宅街にハチラボがあります。入口の横に、ちょこんと置かれた看板が目印。ここは小さなパン教室です。1回に5~6人の少人数で、パンとおやつをつくります。「間食で食べるようなタイプのパンが多いですね。おやつも似た感覚なんですが、食事とお菓子の中間のような食べ物が好きなんです。柔らかな音の響きもいいですよね、おやつって」と、はにかむオーナーの奥村裕美さん。室内は、業務用オーブン数台や発酵器などの機器が備わりながら、ノスタルジーを感じるほっこりしたスペース。和服店に使われていた場所を改装したそうで、残した建具や特注の木製調理台からも、あたたかな雰囲気が漂ってきます。あちこちに置かれた小さなステンドグラスは奥村さんの自作。それぞれにパンがデザインされているのが素敵です。表の看板にもステンドグラスが使われていました。

就活中に出合ったパンの魅力

社会人になってからずっとパンに関わり続けてきた奥村さんですが、パンの魅力と出合ったのは、就職活動真っ只中のことでした。大学4年の夏、進むべき道が定まらず行き詰っていたときに「何かを変えたい」と、親の反対に耳を貸さず参加したフランス交換留学。そこで衝撃を受けたのが、素朴なパンや豊かで気負いのない食文化でした。帰国後、食の道に進むことを決め、自力で探したベーカリーに就職。厳しい世界で大いに鍛えられたといいます。その後は職場を変えながらキャリアを積み、特にアフタヌーンティーの製造部門やアンデルセンのカルチャースクールに関わった経験は、奥村さんに大きな影響を与えています。多彩なパン文化にも触れることができ、パンづくりの魅力にどんどんはまっていったのだそう。そして2007年、夫の独立起業を機に、いわく「その波に乗っかって」ハチラボがスタートしました。

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会話も楽しみたいから人数は少なめ

「パンが好き。人が好き」という思いを束ねたら、パン屋よりもパン教室になりました。「パンづくりには人柄が出るんです。そのふれあいが楽しいんですよね」と奥村さん。交流の場でもありたいから、居心地の良い空間とワクワクするパンづくりを心がけています。食パンやメロンパンなど身近なものから、あんバターパンや焼そばパンなど日本的なもの、そしてベーグルやタルト、クグロフなども登場。つくるのも食べるのも肩肘張らないスタイルで、少人数にもこだわります。「会話も楽しんでほしいので、作業台を囲んで全員の顔が見える人数にしています。この教室が人の出会いの場になれたらうれしい」。 とはいえ教室の雰囲気が分からないとなかなか参加しにくいもの。そこで、気軽に訪問できるよう、毎月「8」のつく日をパンの販売日に。20種類以上のパンや焼菓子が並びます。どなたでも、もちろん買い物だけが目的でも、大歓迎です。

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五感で体験するパンづくり

逸品には、パン教室の体験を。パンは食べるよりもつくるほうが好きという奥村さんには、パンづくりの面白さをもっとたくさんの人に知ってほしいという願いがあります。「生地にさわるのって楽しいし、気持ちいいんですよ」。癒しになるという参加者も多く、子どものころ夢中になったねんど遊びを思い浮かべる人もいるでしょう。オーブンから立ち上がるパンの香ばしいにおいも至福です。「パンづくりって、普段使っていない五感を刺激されるような気がするんです。その感覚をぜひ体験してほしい」。 ハチラボの教室は、無理なく参加できるよう単発で申し込む方式ですが、体験版はさらに手軽にレッスン時間を短めの2時間弱に設定しました。パンづくりの世界に気軽に触れてほしいという奥村さんの気持ちが込められています。

写真・取材・文 上内かなえ

店舗情報

  • 店名

    ハチラボ

  • 住所

    〒733-0003 広島市西区三篠町2丁目17-17 浜本ビル1F角

  • 営業時間・
    定休日

    【営業時間】不定期
    【定休日】なし

  • Instagram

    https://www.instagram.com/hachilabo/

写真:パンとおやつの教室体験

パンとおやつの教室体験

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