人の体温を感じるような写実絵画
画家の王子駿さんに会いに、広島市立大学の芸術学部棟にお邪魔しました。6階の、学生さんの作品が所狭しと置かれる廊下を抜けた一番奥の部屋が王さんのアトリエ。美術館の展示室のような高い壁面に、精密に描かれた作品が展示されています。神聖な祈りにも似た気持ちが湧いてくる、宗教画を現代的に表現したような作品たち。髪の毛が一本一本描き込まれ、柔らかい産毛が見えてきそうな白い肌。驚くほどリアルなタッチを追求しながらも女性の背中には天使の羽が生え、頭には天使の輪が描かれるなど《リアルとイマジネーション》が混在しています。
王さんは中国出身の画家で、現在博士課程後期の学生でもあります。高い身長に知的な顔立ちのモデルの様な雰囲気の青年。日本に来て10年、表現者としてストイックに挑戦し続ける彼のお話を伺いました。