No.103自転車

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長く乗りたい オリジナルの自転車

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広島市のアツい自転車屋さん

西区庚午に一風変わった自転車屋があります。「grumpy」は一見おしゃれなカフェかな? と思うようなお店ですが、店内の奥に進むと幅広い種類の自転車がずらり! メンテナンスしながらいいものを長く使う自転車文化を広めたいとの思いから、ピットスペースが広く取られています。
代表の西上宏史さんは兵庫県の出身。子供の頃から怖いもの知らず、“大胆不敵”な性格でした。体が小さいうちから自転車に乗り、そのあげく川に落下したり、無鉄砲なことをしてはケガをしたり…。周りをハラハラさせるような冒険魂を持った少年は、大人になり大手自動車メーカーに就職しましたが、38歳で退職し自分で会社を立ち上げます。
「人って安定を求める人と、変化を求める人がいると思うんですけど、僕は後者ですね。」西上さんは大胆に新しい世界に飛び込み挑戦し続けています。そんな西上さんが自転車屋を始めたのは何がきっかけだったのでしょうか?

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皆がしていないことをするのがポリシー

西上さんは元々自転車に詳しかった訳ではありません。現在のような店舗を作るイメージもなかったのですが、「自分が乗りたい自転車が売っている店がないから自分で作ろう」と、自転車小屋を自分で建てたのが始まりだそうです。当時市場に出回っていた自転車は、ママチャリ以外はスポーツタイプがほとんど。レースに出るような自転車を置いた“本気の自転車乗り”のためのお店しかありませんでした。
西上さんは自分好みの自転車を集めたお店を作り始めます。アメリカの職人が作ったハンドメイド1点ものの自転車や、四駆のように太いタイヤの自転車、重くてシンプルなデザインの自転車など、普通の自転車屋では置いていないものばかりを集めます。「今思えば本当に怖いもの知らずだと思います(笑)。」
自転車屋を始めて現在8年目。感度が高い客層からの支持を得て、店舗もスタッフも拡大中! そして西上さんが走り続けるのには“ある理由”があります。

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広島の小さな企業が日本の自転車産業を変える

自動車メーカーにいた時から海外で仕事をする機会が多かった西上さん。海外にいるからこそ見えてくるものがありました。「かつて“メイドインジャパン、日本の工業製品は素晴らしい”って神話がありました。ですが安く作って安く売るために大半の企業は海外で生産していて、国内の製造レベルも経済レベルも停滞している。それを何とかできたらいいなと思ったんです。」
西上さんは横川に自社工場を作り、ハンドメイドで自転車製造を始めようとしています。パイプを切って溶接し自転車のフレームを作る。車輪をひとつずつ編む。自転車を手作りする工程は、気が遠くなるほど手間がかかります。「日本にもかつてそういった工場がありましたが、今はほぼなくなってしまいました。だからこそ、ここから衰退した日本の自転車産業を復活させたいと思っています。」日本の産業を巻き返そうと取り組んでいる、熱い思いの広島市の小さな自転車屋さん。この思いを若い人が受け止めて、引き継いでいって欲しいと西上さんは語ります。

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自分好みにカスタマイズもできるオリジナル自転車

こちらはグランピーオリジナルの自転車“Sig.Rando”。流行に左右されないデザインです。日常でも使いやすいよう車体の前後にかごを付けたり、スタンドを付けたりするための仕掛けがあり自分好みにカスタマイズできます。このフレームの色は宮島の鳥居をイメージした朱色で、鹿と鳥居のエンブレムが付いています!
お客さんに幸せな自転車ライフを送ってもらえるよう、話しながら“ぴったりな自転車”を提供したいし、長く乗るにはメンテナンスは欠かせないので、対面販売を大切にしています。」
自転車はCO2を出さない地球環境によい乗り物。だからこそ簡単に使い捨てにせず、長く使えるものを選んでいくのは未来志向の買い物の仕方だと思います。作り手の想いもある上にデザインもおしゃれならば、気分が上がりますよね! スタッフさんに相談しながら自分らしい1台をじっくり選んでみてはいかがでしょうか。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子

店舗情報

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