No.071週替わりONDO定食

週替わりONDO定食

体に優しい定食とミュージック

人と音楽とお酒がつくる心地よい時間

流川のはずれ、音戸温泉ビルの地下1階に音楽食堂ONDOがあります。扉を開けると、木目調の温かみのある空間が広がります。こちらはDJの森脇敏さんと、奥様の歩美さんが2015年から始めた場所。壁には手描きの素敵なアート作品が飾られ、天井から下がるミラーボールは京都の作家さんが手作りされたものだそうです。友達の子供も遊びに来るので、本棚には絵本も置かれています。ONDOは人の体温を感じる場所です。音楽を聞く店っておしゃれな人達が来る場所で、ちょっと敷居が高いイメージがあります。「だから、他にないようなお店にしたかったんですよ。」そうおっしゃるのは敏さん。そして隣でにこにこ微笑む歩美さん。お2人の出会いは学生時代でした。広島市出身の敏さんは大学生DJ、歩美さんは熊本県出身で大学進学のために広島に来ていました。そして歩美さんが東京に引っ越し、敏さんもDJ活動の場を東京に移します。

東日本大震災がきっかけで食の大切さに気付いた

20代、東京での暮らしはとっても刺激的だったそうです。最先端の音楽や人が集まる街で、敏さんはDJ活動の幅を広げます。尊敬するDJに会ったり、憧れの老舗クラブに通ったり。カフェで働いていた歩美さんと充実した日々を送ります。いつか広島で音楽を楽しめる場所を作りたいという思いはありましたが…。2011年3月、多くの方に影響を与えた大災害が起こります。東日本大震災。当たり前が当たり前でなくなる日常の中、まだ20代だった2人は人生に真剣に向き合うことになります。そして2人の未来について深く考え、広島に戻り自分たちの店を出すことを決断します。
また、震災は食の大切さも教えてくれました。震災の影響で低放射能・無添加の食材を自然と求めるようになり、それは現在お店で使う食材選びにもつながっています。評判のONDO定食には、無農薬野菜、有機野菜がたっぷり使われています。お客さんの体に入る食材にはこだわりたい。そんな2人の想いがしっかりと現れているのですね。

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みんなで音楽を共有する、きらめきのような瞬間

「音楽が好きだから、大事にしたいんです。」という敏さん、いい音を出す研究には余念がありません。カウンターの奥にはレコード盤がずらり! レコードの音はCDよりも温かみがあり、ミュージシャンの感情や体温をも感じられるような臨場感があります。スピーカーやアンプなどの機材ももちろんこだわります。さらに、DJのやりがいは、お客さんの状態を見て音を流し一体感を作れるところだそうです。たまに訪れる、奇跡みたいな瞬間。みんなで思わず立ち上がったり、感極まって泣き出す人がいたり。そんな人と人が感動を分かち合う瞬間の積み重ねが、ONDOのストーリーを作っていきます。
人と人が出会える場であり、音楽を楽しめる場でもあり、時にハチャメチャなことが起きても丸ごと受け入れてくれる。人と音楽とお酒がつくる心地よい空間、音楽食堂ONDO。これからも沢山のきらめくような瞬間が生まれていくことでしょう。

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体に優しい、おばあちゃんがつくるような晩ごはん

逸品で選んでいただいたのは、“ONDO定食”と“レモンサワー”。音楽食堂ONDOの晩ごはんといえばこれです。ごはんは歩美さんが土鍋で炊き、化学調味料をできるだけ使わず、みそ汁は出汁からとっていますよ。豊富に使われたお野菜は、広島の信頼する農家さんが栽培されたものを使います。小鉢が沢山並び見た目にも楽しく、う~ん、これは心も体も喜んでます。おすすめのドリンクはレモンサワー。瀬戸内産のレモンを使っていて、とってもまろやかなお味です。定食が食べられるのは火・水・木のみ。金土は音楽メインでまた違った雰囲気になります。2階の温泉であったまり、そのまま地下の音楽食堂ONDOでお腹をみたす。お喋りと心地のいい音楽で、初めて来た人とも友達になれちゃう。そんな夜って素敵ですね。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子

店舗情報

写真:週替わりONDO定食

週替わりONDO定食

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