No.072NPW曽田耕オリジナル ヌメ革パッチワークバッグ

NPW曽田耕オリジナル ヌメ革パッチワークバッグ

唯一無二の革のバッグ作り体験

NPW=ヌメ革ワークショップの始まり

2014年まで広島市で人気のセレクトショップ「foo(フー)」を運営していたふるもとひろしさん。当時、取り扱っていた人気の革作家・曽田 耕(そだ こう)さんの革のバッグやシューズは、人気アイテムだったそう。曽田さんの作品「NPWメガパッチワークバッグ」のカシメが取れた時、修理依頼の連絡を入れたところ、「革とカシメを送るから自分で直して」との返答があり、後日封筒に入った革とカシメが郵送されてきました。そこで、初めて革とカシメを使い修理をしたふるもとさん。これをワークショップにしたら面白いのではないかと思い立ち、まずは試しに第1回のワークショップを行ったところ、大好評だった事から、「これをNPWの学校として、ワークショップを展開していきたい!」と、曽田さんに直談判し、すぐに快諾してもらえたとか。既製品を仕入れて販売していくスタイルに情熱を感じられなくなっていた事もあり、11年間続けた実店舗を閉店し、2015年から本格的に「NPWの学校@ふるもとひろし」としての活動をスタートしました。

靴作りの端材を再利用しバッグに

元々は靴職人の曽田さんの靴作りの際に出た革の端材を再利用してできたNPWのバッグは、ふるもとさんがワークショップをスタートした際、さらに多くの革の端材が必要となったので、革産業の会社に直接電話をして、廃棄していた革の端材をもらえるよう交渉したのだとか。「あるものをどう使って、どう作っていくか。ファッション産業廃棄のストーリーを同じ「バッグ」というフォーマットで作り直す行為は、自然に無理も、後ろめたさもなくできる。」とふるもとさん。色・素材も様々な革の端材を再利用して作るバッグは、どれも個性的。ワークショップで作ったバッグを見た方からの口コミで、さらにワークショップを開催してほしいとの声が増え、日本中・世界中でワークショップを行ってきたそう。様々な土地で出会う人との深いつながりで、さらなるご縁を呼ぶ、人気のワークショップ。「コロナ禍でなかなか大人数のワークショップはできなくなったけど、求められるならどこへでも行ってNPWのワークショップをしたい」。

とっておきの場所

今回取材依頼を受けた際、真っ先に「取材場所は、ここがいいな!」と思ったという、江田島市大柿町にあるとある倉庫。民泊を運営していたウェブデザイナー&フォトグラファーの門田夫妻がこのコロナ禍で、広島市から江田島移住を決め、一目ぼれして借りたというレトロな佇まいの古倉庫。現在は撮影にピッタリの空き倉庫だが、春にかけてオープンキッチンや民泊施設など「みんなの遊び場」として、リノベーションしていこうと考えている場所。この夫妻の試みに強く共感したふるもとさん。島でも都会にも負けないハイセンスなものを作って、わざわざここを目的に遊びにきてもらえるようになれば、自然豊かな江田島の魅力をもっと知ってもらえると考えているそう。オープンキッチンが出来たら、料理上手なふるもとさんに、ここで月に何度か食堂をやってもらいたいなと門田夫妻はひそかに思っています。さらなる新しいコラボが生まれる場所になるのも楽しみです。

持ち物は金槌ひとつ

革の端材と金槌とカシメがあればどこででもできるという「NPW=ヌメ革ワークショップ」。今まで使い道のなかった革の端材を使って、使えるモノ=バッグに作り変える事でデザインに於ける「破棄」の問題に対しての、皮肉ながらも柔らかなメッセージにも繋がっています。企業やショップ、学校、ギャラリー、個人宅など、全国どこへでも依頼があれば出張ワークショップ開催が可能であり、初心者でも1時間~2時間で作る事が出来ます。制作中は皆黙々とバッグ作りに集中する時間があり、それぞれの作品には作り手の性格や思いが映し出され、自分と向き合う時間となっています。手に取る端材によって、イメージ通りにならない、思いもよらないバッグが出来上がる事も、このワークショップの醍醐味。一つ作った後に、また一つ作りたくなるというリピーターも多いとか。作ったあともストーリーを感じる事が出来る完全オリジナルな、唯一無二のバッグ作り体験をしてみませんか。

写真 山本興 / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

写真:NPW曽田耕オリジナル ヌメ革パッチワークバッグ

NPW曽田耕オリジナル ヌメ革パッチワークバッグ

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