No.093ヘアメイク

ヘアメイク

その人らしさをナチュラルに引き出すメイク

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内面と外面のバランスを整えるヘアメイクアーティスト

ヘアメイクアーティストの金子みすずさんは、ゆるやかで自然体のステキな女性です。現在メイクレッスンや撮影のヘアメイクのお仕事で大活躍のみすずさんですが、過去の様々な人生経験が今のお仕事につながっています。
美容の道に進んだのは、エステティシャンをしていたお母さんの影響でした。子供の頃、お母さんの職場で綺麗になり心癒されて帰っていくお客さんを見て「こんな仕事っていいなあ。」と思ったみすずさん。美容の専門学校に入り、卒業後すぐに勤めたのはエステの会社でした。
懸命に働いていたある日…みすずさんは救急車で搬送され病院に入院します。「ストレスからくる精神的な症状でした。気づかぬうちに限界を超えてしまったんだと思います。」“心と体はつながっているのだな”と改めて実感したみすずさん。退院後にタイ古式マッサージと出合いリラクゼーションの道へ。思い切って単身タイに渡りマッサージや瞑想などを学びます。

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ありのままの自分でいていい タイ滞在で心と体が癒された

タイに滞在した1ヶ月はみすずさんが自分を再生するような時間となりました。タイは時間の流れがとてもゆっくりで、日本の分刻みのような時間感覚とは全く違います。美味しいご飯とゆったりとしたリズムの生活で、だんだんと健康を取り戻していくみすずさん。「タイは“微笑みの国”と言われます。みんな自然体で笑っていて、大らか。無理して自分をよく見せようとする所がないんです。」ありのままの自分を受け入れてくれる、そんなタイでの経験に心と体は癒されていきました。
日本に帰国して「無理しすぎている人達にタイの雰囲気を伝えられたらいいなあ。」と思い、フリーのタイ古式セラピストとして活動を始めました。しばらくは出張マッサージをしたり自宅で友達に施術をしたりとセラピストの活動をメインにしていたのですが…。不思議と、施術していたお客さんからメイクを教えて欲しいという声が増えてくるのです。

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外見と内面、体はつながっている

学生の頃から友達にメイクをするなど、なぜか人にメイクを施すことが多かったみすずさん。ボディケアをしながらお客さんにメイクの簡単なアドバイスをしていると「メイクを教えて欲しい」という声が上がり、それに応える形でメイクレッスンを始めました。みすずさんのレッスンは好評で、やがて撮影現場からもお声がかかるようになり、沢山の人に助けられながら活躍の場が広がっていきました。現在は一般の方向けと、企業の社員さん向けのメイク講座もしています。
メイクすることで気持ちが前向きになり、姿勢がよくなり肩こりが改善される人もいます。「私はボディの仕事から入りましたが、結局は外見と体、そして心はどれもつながっているなと思いました。それなら、私が求められているメイクを軸にしようと思ったんです。」メイクならその人の背中を無理なく押して、人生を応援してあげることができる。みすずさんにとってメイクはそんなツールなのかもしれません。

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タイシルクのストール

みすずさんがメイクの際にケープとして使っているストールです。メイクしている最中にモデルさんやお客さんの服が汚れないようにかけるもので、みすずさんがタイで購入したシルク製のスカーフです。ありのままの自分でいることを感じさせてくれたタイの空気を忘れないように、そしてモデルさんやお客さんを気遣う気持ちから必ず現場に持って行きます。
「私が一番好きなのは、その人らしさをナチュラルに引き出せるようなメイクですね。」とみすずさんは言います。自分ではない誰かになろうとするのではなく、誰にだってある素敵な面をぐーんと引き出してくれるようなメイク。自分に自信が持てて、もっともっと自分のことを好きになれそうですよね。可愛くなりながら心癒される、そんなひと時を自分にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

写真 加藤郁夫 / 取材・文 日高愛子

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