No.121ベーグル(どれもおすすめ)

ベーグル(どれもおすすめ)

暮らしに寄り添ってくれる、ありふれているようで特別なベーグル

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毎日食べたくなるベーグル

ベーグルって知ってはいるけど身近ではない、そう思われる方も多いのでは? 「ドーナツのような形をしたパン」、「おしゃれな女の子の食べ物」なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。でもベーグルって、とてもヘルシーで優しいってご存知でしたか?
楠木町に佇む『Bake bagel&sweets』は、とても温かいベーグル屋さんです。お店のショーケースには、焼き立てのベーグルが所狭しと並んでいます。その種類はおよそ20種類。毎週のように新作も登場します。店主は猪有子さん。二人のお子さんを育てるお母さんです。『身近な食材で毎日安心して食べられるベーグルとお菓子を。』 そんな母親の心で焼き上げる猪さんのベーグルは、暮らしにそっと寄り添ってくれるようなホッとする存在です。

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少しの工夫で魔法のように味が変わる。

『Bake bagel&sweets』をオープンさせるまでの猪さんは、料理教室で働いていました。料理の先生のアシスタントをしたり、メニューをレシピに起こしたり、時には講師として料理を教えることもあったとか。そんな猪さん、料理教室で培った知識をご自身の家庭料理にもちゃんと活かしていました。しっかりとした主婦目線で、スーパーで気軽に買える食材を使った料理を楽しんでいたと言います。「身近にある食材でも、少しの工夫でワンランク上の味に仕上がったりするんです。苦手なものだって、工夫次第で美味しく食べられるようになります。」と猪さんは笑います。
やがて猪さんは、自分の料理教室を持ちたいと思うようになりました。ほんの少しの工夫で味が変わること、失敗してもそこからちゃんと学べること、その楽しさや素晴らしさを自由に伝えていきたい、そんな想いが湧き上がってきたのです。

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料理が秘める楽しさをもっと自由に伝えたい

そうして猪さんは、自身の料理教室を始めます。そこは小さな子どもから大人まで、美味しいものを作りたいと思う人が集まる、自発的でとても自由な空間です。時には女子会のようにワイワイと、時には親子で楽しく挑戦を。教室で出会ったメンバー同士のコミュニティーも出来上がります。仰々しい料理ではなく、さりげないけれどちゃんと日々に寄り添ってくれるような料理を。猪さんが教えるのは気取らないけれど大切なものはきちんと詰まっている、そんな料理です。猪さんの教えるレシピで「苦手なものが食べられるようになった。」という声も聞こえてくるようになりました。「料理との出会い方に工夫を加えて、『食べられないものはない』を目指したい。」と猪さんは言います。

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食べることは、生きること。

そんな猪さんが、ベーグルを始めたきっかけは、二人のお子さんでした。息子さんはよく食べる男の子。かたや娘さんは少食な女の子。「たくさん食べる」と「少ししか食べない」のジレンマを解決してくれたのが、ベーグルでした。何しろベーグルはとてもヘルシーで栄養満点。たくさん食べても安心ですし、苦手な食材でも不思議と美味しくなるのですから。実際に娘さんは猪さんの焼くベーグルで苦手を克服できたと言います。猪さんはお家でベーグルをたくさん焼きました。焼いたベーグルを友人たちに配りました。そして、そんな友人たちからの「お店を開いたほうがいいよ!」の声に後押しされてオープンしたのが『Bake bagel&sweets』なのです。
 猪さんは、もちろん食材にもこだわります。選ぶのは旬のもの。そして、ベーグルに欠かせない小麦は豊かな北海道産、「はるゆたか」「はるよこい」「きたのかおり」の3種類。ソフトなものからモチモチなものまで、「ぜひとも食べ比べてみて。」と微笑みます。
 「食べることは、生きること。」猪さんは言います。そして、「食べることで幸せを伝えたい。」と、はにかみます。猪さんはお店でも家庭用オーブンを使っています。ベーグルのレシピも公開しています。それは、お家でも幸せを分かち合ってほしいから。お店だからって気取らない。猪さんがベーグルの向こうに描くのは、それぞれの食卓に咲く、ありふれているけど最も美しい笑顔なのかもしれません。

写真・取材・文 MiNORU OBARA

店舗情報

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