No.135クロスチェア

クロスチェア

ウッド×帆布の組み木チェア

アウトドア空間をデザインする

アウトドアデザイナーってどんな事をするのだろう? と初めて聞く職業に興味津々で、取材へ伺いました。広島でアウトドアデザイナーとして活動をしている「OUTER」石倉のり隆さん。とにかくキャンプが好きだったという石倉さんは建築関係の会社から30歳で独立し、大好きなアウトドアに特化した仕事をしたいと、新しく作った肩書アウトドアデザイナーとして活動を始めました。「アウトドアデザイナーは、僕が作った造語の職業です」。職業を新しく作ってしまうなんて、さらに興味を駆り立てられます。「キャンプ歴は10年以上、総キャンプ数は、数えたら100回行っていました(笑)」。同じくキャンプ好きな仲間を集めて行くキャンプからソロキャンプまで、様々なスタイルのキャンプを行ってきたといいます。キャンプ地やその周辺に至るまで、アウトドア空間をデザインする事が石倉さんのデザイナーとしての仕事だといいます。アウトドアデザイナーの仕事と並行して、「INER(インナー)」の屋号で、店舗の設計やインテリアデザイナーして、飲食店のトータルデザインなども行っています。

キャンプ場で結婚式がしたい

学生時代からキャンプが好きだった石倉さんは、「いつか自分の結婚式はキャンプ場でしたい! と言っていて、当時キャンプ場で結婚式をする発想自体なかったので、みんなに不思議がられていました(笑)」。そんな夢をあたためていたころ、「友人へ結婚祝いのサプライズとして、結婚パーティーをキャンプ場でしよう!」石倉さんは初めてキャンプ場ウェディングを企画しました。「今ではキャンプ場や屋外で結婚式をするスタイルが多くなってきたけれど、当時は前例もなく手探りで進めました。各自得意な事で担当を振り分け、料理が得意な人は料理担当、美容師にはヘアメイクを担当してもらったりして」。友人たちと手作りしたキャンプ場サプライズ結婚パーティーは、とっても喜ばれ、参加した友人たちの記憶にもしっかり刻まれた特別なパーティーになったといいます。

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アウトドアの可能性は無限大

地元福岡の大学で建築を学んだ後、広島の建築関係の会社に就職しました。広島で建築関係の仕事をしていた石倉さんが、アウトドア空間をデザインする仕事を始めたきっかけは、兵庫県にある温泉宿の経営者の方から依頼を受け、兵庫県香美町のアウトドア施設「IPPEN(いっぺん)」をトータルプロデュースしたことでした。まだグランピングという言葉が生まれたばかりだったころ、キャンプ場といえば、昔ながらの施設しかなく、快適でオシャレなアウトドアができる空間は、斬新で新しい場所に仕上がったといいます。それまでは店舗のインテリアデザインをしていた石倉さんは、アウトドアの空間もしっかりデザインしていけば、さらに魅力的な場所になるのではないかと、アウトドア空間に限りない可能性を感じたといいます。

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キャンプをデザインする

「3年くらい前からキャンプブームが来て、一般の人にもアウトドアが身近になり、グッズなどの需要も高まっています」。石倉さんにおすすめしてもらったアイテムは、自らデザインしてカタチにしたという「クロスチェア」。8年前に作り、改良を重ねたもので、商品化してほしいとの声が多いアイテムだといいます。目の前で組み立てを見せてもらったところ、あっという間に椅子になり、しかも座り心地もよい。「焚火を眺めながら、長く座るのにもってこいですね!」と、思わずカメラマンと同時に、「早く商品化してください!」と声が揃ってしまいました。キャンプ好きな石倉さんが作る、シンプルで機能的、なおかつオシャレなキャンプ道具があれば、さらにキャンプが楽しくなるに違いない。「元々あるキャンプ場やその周辺などを活かして、活性化・再建するような、街づくりなどもしていきたいし、いつか自分で理想のキャンプ場を作り、経営してみたいです」。一日も早く、石倉さんがプロデュースしたキャンプ場が広島にできますようにと願わずにはいられません。

写真 MiNORU OBARA / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

写真:クロスチェア

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