No.150もちもち水餃子
食材の力強さと、店主の優しさが垣間見える水餃子
旬の食材を生かし、シンプルに調理する
一風変わった店名は、「虫養い」という京都の昔ことばから。「腹の虫をなだめるような、小腹を満たすちょっとした食事」という意味です。美味しいものを少しずつ、色々と楽しむ、そんな光景が目に浮かびます。そのイメージにぴったりくる一品がありました。「一番うちのカラーが出る、自己紹介的な料理」と藤原さんが表現する、前菜の盛り合わせです。その一皿には、生産者の顔が見える新鮮な野菜を使った素朴な味わいの品が8〜10種類並びます。一年を通して食材が変わらないメニューが多い中華料理は、季節感がないと言われることも多いですが、逆にこの前菜は旬を感じるものばかり。「一般的な中華料理って、緑とか赤とか彩りを重視して使う野菜の構成が決まっているんですが、そういう固定概念に囚われたくない。本当にこの料理にはこの食材やこの調味料は必要なのか? と立ち止まって考える、それは大切にしていますね」。使う素材や調味料はシンプル、でも味はきりっと洗練されている。とてもモダンで滋味深い料理の数々に、多くの人が虜になるのも頷けます。
食材への愛情が伝わる優しい料理
藤原さんが作る中華料理は、よく“優しい”と表現されます。でも、油を使う量が少ないわけでも、薄味にしているわけでもなく、「体に優しく作ろうとは意識していない」と話す藤原さん。ですが、この水餃子を食べてみて、そう表現したくなる気持ちが分かりました。
口に入れた瞬間につるんと滑る、むっちり厚みのある手作りの皮。そのなかには、石見ポークの自家挽き肉にたっぷりの白菜とキャベツを加えて作る、肉々しい歯応え際立つ餡が詰まっています。これがものすごい存在感。食材の持つ旨味や力強さが、口のなかで主張しているよう。醤油ベースのスープは上品な味でありつつも、お母さんが作ってくれた味噌汁のようなほっとさせる温かさもあり…。一口また一口と箸を進めるほどにしみじみとおいしく、「体が喜ぶ食事とはこういうものか」と思わずにはいられません。確かに、優しい。でもそれは、ひと手間を惜しまず愛情を持って食材を扱う、そんな藤原さんの優しい気持ちが自然と食べる側にも伝わっているからではないでしょうか。
口に入れた瞬間につるんと滑る、むっちり厚みのある手作りの皮。そのなかには、石見ポークの自家挽き肉にたっぷりの白菜とキャベツを加えて作る、肉々しい歯応え際立つ餡が詰まっています。これがものすごい存在感。食材の持つ旨味や力強さが、口のなかで主張しているよう。醤油ベースのスープは上品な味でありつつも、お母さんが作ってくれた味噌汁のようなほっとさせる温かさもあり…。一口また一口と箸を進めるほどにしみじみとおいしく、「体が喜ぶ食事とはこういうものか」と思わずにはいられません。確かに、優しい。でもそれは、ひと手間を惜しまず愛情を持って食材を扱う、そんな藤原さんの優しい気持ちが自然と食べる側にも伝わっているからではないでしょうか。
写真 加藤郁夫 / 取材・文 佐藤明日香
店舗情報
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店名
むしやしない
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住所
〒730-0034 広島市中区新天地2-8 吉岡ビル3F
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連絡先
082-236-7064
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営業時間・
定休日【営業時間】18:00〜24:00
【定休日】不定休 -
Instagram
もちもち水餃子