No.145オーダーメイドの家具

オーダーメイドの家具

作り手の思いのこもったオーダーメイド家具

オーダーメイド家具×焼菓子店

広島の中心地から車で走ること30分、素敵なお店が多いと噂の沼田町吉山、県道から少し上がった先に素敵な古民家が見えてきます。ご主人の家具職人・松本洋助さんのオーダーメイドの家具と、奥さまの志津加さんの焼菓子店「musica furniture ×焼菓子店 粉麦」。店舗に置いてある什器やテーブル、椅子のほとんどが家具職人の洋助さんが手作りしたものです。お客さんからオーダーを受けて、デザインし、製作まで全行程を1人で行っているため、オーダーを受けて納品まで半年ほどかかるといいます。無垢材を使って作るオリジナルの家具は、使い込むほど味が出てストーリーを感じます。「経年変化して、ストーリーを感じるものに惹かれます」。洋助さんは、年代物のバイクや自転車、自動車まで、自分で修理して乗る事が大好きなんだそう。

父のような家具職人になりたい

洋助さんは大学卒業後、バーテンダーとして働いていた頃、お客さんからアパレルの会社をすすめられ、就職試験を受けることにしました、面接を受けながら、「なんか自分のしたい事と違うな。自分でモノを作って売りたいな」と、思ったといいます。幼い頃から家具職人のお父さんの手作りの家具に囲まれて育った洋助さんは、「家具作りは楽しそうだし、自分が死んだあとも残るし、使い続けてもらえるな」と、お父さんのような家具職人になりたいと思い立ち、兵庫県丹波篠山の家具職人に弟子入りをしました。約4年間の修行を終えて、いつか自分で家具のお店を持ちたいと、地元広島に戻り資金を貯めるため会社員をしながら、自身の工房で家具作りの腕を磨いていったといいます。

古民家に一目惚れ

沼田町吉山で生まれ育った洋助さんは、いつか地元へ戻ってお店をしたいと思っていたところ、一つの古民家に一目惚れをしたといいます。「この場所でお店をしたい。自然豊かなこの土地で子育てをしたい」と、この古民家とその周りのロケーションに惚れ込み、実際に借りる事ができるまで、1年半ほどかかったけれど、2015年に念願のこの古民家で、夫婦の夢だった家具と焼菓子のお店をスタートしました。2人の息子さんたちも自然豊かな庭を駆け回り、のびのび育っているといいます。お店から車で3分の場所に、家具職人のお父さまと共に作業することも多いという工房があります。たくさんの工具と年季の入った機械などもしっかり使いこまれて、手入れも行き届いており、ここであの素敵な家具の数々が生まれているのだなと、舞台裏を見られたようで、ワクワクしました。

とっておきのオーダーメイド家具

洋助さんの作る家具は、すべて無垢材を使い、どんな場所で使うか、サイズやデザインなど細かくヒアリングし、机の角を丸くしたり、長く座っても疲れにくい座面にしたりと、工夫を凝らし、店舗や自宅にピッタリ合う唯一無二のオーダーメイド家具を一つ一つ思いを込めて作っています。「全行程を一人で行っているので、量産はできなくて、オーダーを受けて半年ほど待ってもらっているのが申し訳ないんですけど…」。その丁寧な手仕事や、どこか懐かしく、長く使っても飽きのこない、温かみのあるシンプルなデザインの家具にファンも多いといいます。「いつか家を建てる時、自分のお店を持つ時には、ここで家具をオーダーしたい!」と夢が膨らむような素敵な店内で、「粉麦」の焼菓子をあれこれ選ぶ時間もとっても楽しい時間になるはず。

写真 山本興 / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

  • 店名

    musica furniture (ムジカファニチャー)

  • 住所

    〒731-3272 広島市安佐南区沼田町吉山246-2

  • 連絡先

    082-839-3553

  • 営業時間・
    定休日

    【営業時間】11:00~16:00
    【定休日】月・火(祝日の場合は営業)
    ※家具:土曜は要予約

  • Instagram

    https://www.instagram.com/musicafurniture/

写真:オーダーメイドの家具

オーダーメイドの家具

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