No.143はつかいちの自然と風土が生んだアミューズ醤油

はつかいちの自然と風土が生んだアミューズ醤油

コクと旨味たっぷりのアミューズ醤油

醤油を造りつづけて97年

豊かな水と緑に囲まれた廿日市市佐伯町津田に、創業97年の老舗店「佐伯醤油」はあります。佐伯醤油のこだわりは、自然なおいしさと醤油本来の香りを生かした、低塩のお醤油であること。塩分控えめで、少し甘めの味わいが特徴です。「長年お客さんからの声を聞きながら、積み上げてきた味です」。醤油への熱いこだわりと穏やかな話しぶりが印象的な3代目代表取締役・阿須賀謙治さん。ひっきりなしにかかってくる注文の電話対応に大忙しです。佐伯醤油は料亭などの飲食店、一般家庭などでも愛されています。3代目になることを決意して地元旧佐伯町へ戻ってきたのは、42歳の時。前職はリクルートで人材採用事業や住宅情報誌を担当、福岡や岡山で住宅情報誌の創刊編集長として立ち上げから携わり、新人採用、教育、営業まで奔走したといいます。様々な土地で支社長などを経て18年余り働き、早期退職制度を利用し退職。実家の「佐伯醤油」に入社しました。

「全国醤油品評会」に出品

家業を継ぐために戻ってきた阿須賀さんは、醤油造りについて両親から「こうするんだよ」と教わったことはなかったといいます。経験のない阿須賀さんは、まずよく観察することと、いろいろ試してみることを大事にしようと決めて、お客様の声を聞いて、たれやかえしなどを研究・試作していったといいます。ちょっとした変化にも敏感に反応し、品質にこだわりながら、日々の醤油造りと向き合い続けています。「私が子どもの頃から、全国醤油品評会では、いくつも賞状をもらっていましたが、『一番ええ賞はなかなかとれんのぉ』と父が言っていたことを覚えています」。6年前、久しぶりに出品した際、優秀賞に入ったことから、自社の醤油の品質は評価されていると改めて感じ、お母さまと二人三脚で、各工程をより丁寧に造る事を意識して取り組んだといいます。2016年に念願だった最高賞の農林水産大臣賞を受賞しました。

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農林水産大臣賞を受賞したこだわりの醤油

初めて農林水産大臣賞を受賞して、3年後の2019年に2回目の農林水産大臣賞を受賞した「佐伯醤油」。受賞の知らせを受けた日の早朝、長く闘病生活を続けていたお父さまが亡くなりました。不思議なご縁を感じ、「父が賞に導いてくれたんだな」と思ったといいます。「しんどい事も多いけど、佐伯醤油として賞をいただいたことで、大きな励みにもなって、関わりのある方々に感謝したい」。お母さまも3年前から現場を離れ、以来製造は一人で行いながら、営業、事務、地域の仕事に加え、2018年から中国醤油醸造協同組合理事長も務めています。阿須賀さんは、和食に欠かすことのできない世界に誇れる調味料である醤油の魅力を、身近な人から伝えていきたいと、広島県内の小中学校で日本醤油協会認定の「しょうゆものしり博士」として出前授業を行っています。醤油ができるまでの原材料の変化や、香りと味の確認など、工場見学でも体験できないプログラムです。子ども達に醤油の魅力を知ってもらうことで、家族で料理を作る楽しさなど、もっと広がっていけばうれしいとの想いがあります。

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アミューズ醤油の完成

様々な醤油を生み出してきた「佐伯醤油」は、2018年にスタートした商品開発を支援するプロジェクト「フードバレーはつかいち研究所」で開発している廿日市市の食ブランド「20marche(ハツカマルシェ)」に参加し、開発アドバイザーのフレンチ料理「AKAI」オーナーシェフ赤井顕治さんにも意見をもらい、「はつかいちの自然と風土が生んだアミューズ醤油」が出来上がりました。地元廿日市で採れた「はつはな果蜂園」のはちみつと「前川農園」の大蒜を贅沢に使用しています。コクと旨味がたっぷりの甘口の調味料は、クリームチーズや鶏肉のグリルとの相性抜群。女子会やおもてなしの料理にピッタリです。シンプルなデザインのパッケージは、ギフトにもおすすめ。オリジナルのレシピなども考案しています。様々な用途に合わせることができる、こだわりのお醤油を贈り物にしてみませんか。

写真 山本興 / 取材・文  三宅真理子

店舗情報

写真:はつかいちの自然と風土が生んだアミューズ醤油

はつかいちの自然と風土が生んだアミューズ醤油

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