No.149広島レモンと廿日市の蜂蜜グラノーラ

広島レモンと廿日市の蜂蜜グラノーラ

古江から次々と新しい味を生み出すパティシエ兼パン職人

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まるでヨーロッパ! 空よりも青いドイツパンとお菓子のお店

広島電鉄古江駅から北へ徒歩2分程度、住宅街を歩いていると見えてくる、ひときわ鮮やかなブルーの外観。見た目の美しさだけでもワクワクしてしまうお洒落なお店から漂ってくるのは、なんとも美味しそうな香り…。今回ご紹介するMehlは、廿日市市上平良にあるドイツ菓子のお店「KONDITREI FELDERCHEF(コンディトライ フェルダーシェフ)」の2号店として2010年にOPENしたドイツパンとお菓子のお店です。1号店のフェルダーシェフは、マイスターシェフの田頭さんが「この街の文化になりたい」と構想され2001年にOPENし、“田んぼの頭”という造語からネーミング。2号店の店名であるドイツ語メールには“小麦から作られたもの”という意味が込められています。その名の通り、店内にはパンや焼き菓子、ケーキなどがたくさん並んでおり、入った瞬間から幸せな気分に。取材時もひっきりなしにお客さんが来店されていました。

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きっかけは、家族の趣味。家具屋からパティシエに転身。

取材をさせていただいたのは、2013年からMehlの店長として働かれている岡田さん。高校卒業後は、なんと家具屋で働かれていたそうです。今後もこの仕事を続けるのかと迷っていた際、たまたまお母様のケーキ作りを手伝ったらとても面白かったそうで、広島製菓専門学校へ入学します。小さな頃から特に甘いものが好きだったわけではありませんでしたが、ケーキを作る工程に魅了され、フェルダーシェフに就職。パティシエとして働きはじめます。
修行期間を経て、岡田さんご自身がレシピから考えた一番最初の商品は、オレンジの生地にコーヒーのバタークリームやフランボワーズのコンポートなどを使ったケーキでした。何度も試作をしてようやく完成した商品で、その時一番好きだったフェルダーシェフのケーキにかなり影響を受けて作りました。思い入れのあるケーキがショーケースに並んだ時は、本当に嬉しかったそうです。

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好きな人に納得してもらえる、期待を裏切らない商品作り。

商品を作る際の一番のこだわりは、食べた瞬間に「美味しい」とすぐにわかる味にすること。例えばパンの説明書きに「チーズが入ってます」と書いてあるのに「どこに入ってるの!?」と、がっかりすることがないように、好きな人が満足できる商品を目指されているそうです。素材も国産のものを中心に選ぶようにしており、主原料の小麦粉もごく一部以外は北海道産や九州産を使用。ムラがあり作るのは難しいけれど、安全な商品を作りたいと研究を重ねています。
お店を続ける中で一番嬉しいのは、「新商品を多くの方に喜んでいただけた時」と岡田さんはおっしゃいます。最近では、たまたま余った素材で作った「大人のクリームパン」が予想外に人気で、期間を延長して販売されたそうです。クリームの中にラム酒入りキャラメルバターを混ぜ込み、くるみの砂糖がけがトッピングされていて、Instagramからのお問い合わせも多かったとか。日々新作のレシピを考えているので、月に3〜4個の新商品を出す時もあります。

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廿日市の蜂蜜と大崎下島のレモンを使った、広島のグラノーラ

選んでいただいた逸品は、「広島レモンと廿日市の蜂蜜グラノーラ」。もともとグラノーラはMehlの人気商品でしたが、広島の特産品を使って作って欲しいというご依頼で新たに開発されたものだそうです。廿日市市ふくなが養蜂園産の天然蜂蜜は、百花蜜という様々なお花の蜜が入っているもので、すっきりしているけれど香りとコクがあります。自社で加工された大崎下島のレモンがアクセントになっていて、その爽やかな酸味と控えめな甘さが絶妙なバランスを演出。主原料に使われているオーガニックオートミオールは味に深みがあり、食物繊維やミネラルが腸にいいと話題の食材。ザクザクと心地よい食感は、そのままおやつとして食べるのにも人気です。もともとパンに使うために仕入れていた香りのない透明なごま油で全体に旨味をプラスしたりと、岡田さんだからこその発想も生かされているグラノーラ。ぜひ広島の土地が育んだ素材の味をお楽しみください!

写真 MiNORU OBARA / 取材・文 野田夏梨

店舗情報

写真:広島レモンと廿日市の蜂蜜グラノーラ

広島レモンと廿日市の蜂蜜グラノーラ

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